杏子さんの目にうっすらと涙が光っているの
が見える。杏子さんの見つめる先には、笑顔
の潤君が見える。我が子を優しく見つめる母
親の横顔がそこにあった。
私たちが家をくまなく見て回り、玄関を出た
ところに担当者の人が待ってくれていた。
「では、以上でよろしいでしょうか」
「はい。どうかよろしくお願いします」
潤君がきっぱりとした口調で言うと、優君の
手を、杏子さんにそっと渡した。
「えー嫌だよー。まだお兄ちゃんと遊びたい
よー」
優君は別れを悟ったのか、急にだだをこね始
めた。その様子に、杏子さんは少し困った顔
で優君に懸命に話しかける。そんな二人を見
る潤君もどこか淋しそうだ。杏子さんと優君
は、次はいつ潤君に会えるかわからない。
突然私は、あることを思いついた。私自身も
もっと杏子さんと話がしたい。それならば・
・・・。
目 次 ![]()
・・・ 再 来 ・・・
・・・ 初恋の人 ・・・
・・・ 若い肌 ・・・
・・・ 秘 密 ・・・
・・・ 苦 悩 ・・・
・・・ 新しい感情 ・・・
・・・ 子供の目
・・・
・・・ 大切な人
・・・
・・・ 同窓会
・・・
・・・ 真実
・・・
・・・ 思い出の地へ
・・・
・・・ 謎
・・・
・・・ 母親
・・・
「ノスタルジア」はまだまだ続きます![]()