私と潤君は新幹線に乗っていた。つい先日、


田舎へ帰ったばかりの私だったが、今度は潤


君と一緒だった。これは急に決まった話だっ


た。潤君が私の同窓会の話を聞いて思いつい


たのだ。


「俺もオヤジと理沙子が育ったところ、見て


みたい」


きっかけはそんな彼の一言だった。私は先日


帰ったばかりだったが、滞在時間もそこそこ


に戻って来たため、もう一度行ってみてもい


いかな、なんて思ったりしたのだ。それに、


潤君と一緒って言うのも楽しそうだし。


「じゃあ決まり!今度の理沙子の休みに行こ



うぜ」


私のふるさとは同時に、潤君のお父さんのふ


るさとでもある。彼は幼少のころ来ただけで



あまり覚えていないらしい。それなら私がい


ろいろ案内してあげよう、そう思うとなんだ


かワクワクした気持ちだった。

駅に着くと、潤君は言った。

「俺さぁ、学校行きたいんだ。高校!」


「私たちが行ってた?」


「うん。二人が出会った場所!」



公平君のこともあり、時間は限られていた。



目的地も決まり、早速私たちは高校へ向かっ


て歩き出した。


夏だというのに、ここはもう

涼しい風が吹いている。今住んでいるところ


とは随分風の冷たさが違う。

「ねえ、あれなに?」


彼が指さす方を見ると、そこには赤い昔のポ


ストが立っていた。


「ああ、ポストよ。昔の」


「こんなのまだあるんだな。って、博物館か


よ、ここは」


彼はそう言ってポストの周りを一周し、感心


するように何度も眺めていた。

「こんなの当たり前に立ってるよ。だってここは田


舎だもん」


「いいねえ!俺、凄く感動してるよ。写メ撮


っちゃお!」



彼はポケットから携帯を取り出すと、写真を



撮りはじめた。彼のその行動は公平君と


とよく似ていた。さすが親子、やっぱ似てい



る。そう思うと自然と顔もほころんでくる。



くもり  目     次 くもり


 

  ・・・  再   来   ・・・


  ・・・  初恋の人   ・・・


  ・・・  若い肌     ・・・


  ・・・  秘   密   ・・・


  ・・・  苦   悩   ・・・


  ・・・ 新しい感情   ・・・


  ・・・  子供の目   ・・・


  ・・・  大切な人   ・・・


  ・・・  同窓会    ・・・

 

  ・・・   真実     ・・・


ノスタルジア」はまだまだ続きます音譜




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