前回→会計の不都合な真実(前編)
■3)勘定科目は取引ごとに決められている
一般的な勘定科目は
ある程度種類が決まっていますが
勘定科目の作り方やまとめ方に
ルールはありません。
会社が自分で好きな科目を作ることが
できますし、一般的な科目であっても
ある程度の自由はききます。
たとえば、家賃の更新料を支払う場合には
「支払家賃」でもいいですし、
「支払手数料」や「雑費」を使うことも可能です。
また、「SEO関連費用」のように
マーケティングに役立つ科目を作ることも
可能です。
だからといって、「役員報酬」に更新料やSEO費用を
計上することはできません。
意味合いが違いすぎますから・・・
■4)利益操作はできない
まず、違法な利益操作についてですが
上場企業等の場合には
公認会計士等の監査役や
内部監査スタッフがいますので
利益操作はしにくいです。
いわゆるコーポレートガバナンスが
有効に機能していると
いうわけです。
しかし、それでも多くの利益操作が
事件となっているのは
ご存じの通りです。
これに対して
中小企業の決算書は
利益操作をしやすいと言えます。
一方、利益操作には
実は、合法的にできるものもあります。
合法的というのは、
会計上は認められていないが
税務上認められている
利益操作のことを言います。
利益操作の代表例が「減価償却費」です。
会計上は、償却の仕方が決められていますが
会計上の罰則は中小企業に適用されたという話を
聞きませんので
税務に従って、計算していくことになります。
税務上は、法人では
減価償却は限度額までは
任意ですので、
利益調整をすることができます。
たとえば、1億円の機械で
今期の償却が200万円できたとすると
経費は、0円でもいいですし
100万円でも、200万円でも計上することができます。
300万円なら話は別ですが
税務署は、文句をいいません。
また、利益を見る際に
役員報酬もチェックする必要があります。
中小企業の場合には、
役員報酬を自由に設定することが
可能な会社が多くあります。
この場合、節税や利益調整のために
役員報酬で調整を行っている場合が
あります。
ですから、役員報酬の金額を
しっかりと把握し
実態としての利益を
つかむ必要がでてくるということです。
■5)決算書を見れば、会社の状態がすべてわかる。
当たり前といえば、当たり前なのですが
決算書には、経営状態を示す数字が
すべて入っていません。
たとえば、従業員数や顧客数などの数値です。
これらの数字は
クライアントにお願いして
別途集めていく必要があります。
また、計上されている資産は
実際には無くなっているものの
利益調整のために残っていたり
適正に処理されているとしても
実際の価値とは
異なる価値で計上されていることが
ほとんどです。
売ることもできず、相当古いタイプの機械でも
購入したときの金額で残っている
場合もありますし
時価の下落した土地も
購入時の価格で掲載されていたりします。
売掛金や貸付金についても
実際には回収ができないものが
含まれていたりするのは
よくあることですし、
社会保険の未払いや
隠している債務がある場合も
多く見受けられます。
この辺りは、しっかりと
経営分析を行い
企業にヒアリングを行わなければ
発見できません。
以上が「会計の不都合な真実」です。
コンサルティングを行う上では
これらの、実態を知った上で
オペをされることをお勧めします。

P.S.決算書を見ると同時に
法人税の申告書や内訳表も見るようにしましょう。
ここに過去の不適切な処理の残骸等が見受けられる場合があります。
特に別表5(1)や売掛金、買掛金、未払金の残高推移などを見ると良いです。
また、減価償却は固定資産台帳をもとに、償却不足等を計算していきます。
pps.会計がわからなければ、かっこつけずに
担当の税理士さんにいろいろ教えてもらうと良いです。
懇意になると、あとで仕事につながったりします。
