2017.10 フィンランド・ヘルシンキ 初秋とデザイン 1日目 その2 | あおいとあさぎの旅行記 blue × blue journey

あおいとあさぎの旅行記 blue × blue journey

カメラの蒼生≪あおい≫と一緒にまわった、ひとりとひとつの旅のきろく。

少し季節を先取りして、秋深まるフィンランドの港町、ヘルシンキ

首都と言いながら、思い描く「都会感」はあまりなく、海から贈られる潮風と

のんびりとした、冷えた空気が心地よい街。

日本からの直行便が到着した夕方、暮れる風景の中をおさんぽ。

*その1~simple~はこちら

 

ヘルシンキは中央駅から少し歩けば、すぐ港に出られます。

たくさんのクルージングボートや帆船が停泊する、凪いだエテラ港

 

 世界を駆けて。

 

大きく船首が張り出した、海賊船のような大型帆船もありました。

一体誰のなんだろう…?

マストの先から、光が降りるように各国の旗が連なっている様は壮観。

日本も交じっていて、ちょっと嬉しい。

世界中を旅して回ってきたのだろうか。

 

さて、ちょうどこの日は年に一度のニシン市が開かれていて、

港にいくつもテントが並んでいる。

ニシンのマリネ、美味しそ~。お酒がいくらでも飲めそう(笑)

 

人だけではない。 

 

もちろんお魚が好きなのは人間だけではありません。

ウミネコたちも、おこぼれにあずかろうと人の手の届かないテントの上から辺りを見回している。

鋭い目に、鋭いくちばし。おいしいニシンは戦争です。

 

さて、このニシン市の素晴らしいところは、持ち帰り用だけでなく

その場で食べられるお料理を提供してくれるところ。

焼いたニシン、揚げたニシンなども食べられるみたい。

もう午後も深い頃合いだったので、市場も畳みかけていたけれど、

小腹も空いたので、気になっていたこちらをいただいてみることに。

 

 桃色クリームスープ。

 

冷たい海風に心温まる、フィンランドの名物料理のひとつ「サーモンクリームスープ」。

サーモンのピンク色がかわいく、優しいスープです。

なんとこのスープを、階段を下に降りていくとある帆船の船室で買い求め、

帆船のデッキの上でいただけるというレストランがあって。

もうシチュエーションだけで相当テンション上がる。

さらに、黒いパンはおかわり自由だし、置いてあるペーパーナプキンはマリメッコ。

決してお高いブランドではなく、フィンランドの生活に根ざしているのです。

風を頬に受けながらいただくスープは、クリーミーで鮭の出汁も出ていて、美味一択。

たぶん日本人も絶対に好きな味です。サーモンシチュー。

 

心も体もほっこりしたところで、港を離れて、再びエスプラナーディ公園へ。

公園もさることながら、両脇の大通りの街角風景が素敵すぎる。

 

欧州街角。 

 

カフェテラスがあったり、ハイブランドのブティックが並んだり、閑静でお洒落な通りです。

自然と気分が上がってしまう。

いつかこんなところで優雅にお買い物したりコーヒー飲んだりしたいなぁ。

 

さて、ひとつ寄りたいところがありました。

それは、アカデミア書店

その名の通り、街の大きな本屋さんなのですが、

建物の設計は、フィンランドの有名なデザイナー、アルヴァ・アアルト氏

 

外観も、吹き抜けの屋内もとてもシンプルなのですが、

ドアの取っ手部分に曲がりくねった微かな遊び心があったり、

とにかくシンプルが尊いと、使う人の邪魔をしない造りだったりと

北欧デザインの基礎を築いたアアルトさんならではのセンスが光る。

 

 知恵の宝庫。

 

均一に切り取られた四角い窓が、黄昏時そのものを反射して

澄み切った北欧の空気を映し出す。

ほのかにオレンジ色に灯る様子が美しいです。

 

中も本当に広くて、たくさんの本があちこちに置かれていました。

会社帰りに立ち寄って、本を手にじっくり選び取っているお客さん多数。

2階は専門的な書が多くて、特に料理の本がどれも可愛すぎた…。

大判の本に、装丁も可愛くて、料理の写真もすべてお洒落。ただのレシピ本ではない…

あれこれ買いそうになるのを我慢して、一目ぼれしたスウェーデン語の歴史絵本を購入。

宇宙誕生から現代までの歴史を、見開きで年代ごとに紹介する絵本です。

影絵のような絵が可愛くて、これもまたデザインがめちゃくちゃいい。

今でも何か迷ったときは、パラパラ見てしまいます。

 

素敵な本に出会えてウキウキ気分のまま、そろそろホテルへ帰ります。

夕暮れ時の道って物語があっていいです。

 

駅方面。 

 

鉄道の集まるヘルシンキ中央駅へと続く道。

駅に向かう人の足取りが多く、みなそれぞれの家へと帰っていく。

今日も一日お疲れさまでした。

 

エスプラナーディ公園も、ぽつぽつと灯りがともり始めます。

 

 明かりの導き。

 

細長い公園に導きの火を、真っ直ぐに等間隔に。

とても柔らかくて優しい光。

その合間の空間には、寒さはあれど冷たさや悲しみはない。

真っ直ぐ突っ切っていくのが爽快です。

 

ホテルまでの帰り道、明かりに照らされる街並みも美しいです。

 

かえりみち。 

 

ヘルシンキの目抜き通り、アレクサンテリンカツ(Aleksanterinkatu)

katu=Street、通りの意味。そして、フィンランド語はほぼローマ字読みでいけます。

この読み方や響きも素朴な感じがするんだよな。軽やかでかわいい。

緑のトラムが駆ける、週末の夕暮れは少し忙しい。

店の明かりがにじむ街並み、ヘルシンキの街はどこも絵になります。

 

初日、わずかな時間ですっかりヘルシンキの虜になってしまいました。

明日から、もっとヘルシンキを深く知る旅が始まります。

地球の北側、研ぎ澄まされた空気を肺いっぱいに吸い込んで。

*2日目 その1~Autumn color~はこちら

 

 

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