2017.06 小樽・札幌 夏の香り 3日目 その1 | あおいとあさぎの旅行記 blue × blue journey

あおいとあさぎの旅行記 blue × blue journey

カメラの蒼生≪あおい≫と一緒にまわった、ひとりとひとつの旅のきろく。

6月の北海道は、梅雨もなく、晴れの間に少しずつ上がる気温が心地よい

まさに爽やかな炭酸水のような初夏を楽しめる大地。

そんな北のスケールの大きさを感じる旅も、最終日。

3日目は、札幌や千歳からわずか1時間ほどで行ける大自然の宝庫、

支笏湖を巡ります。

*2日目 その2~緑のケーキ~はこちら

 

支笏湖は、洞爺湖とともに国立公園を成している湖。

なので、調べるまでは、こんなに都会の近くにあったなんて全然知らなかった。

改めて、北海道の懐の広さみたいなものを感じさせられます。

 

千歳駅前から40分ほどバスに揺られると、あっという間に緑の風の匂い。

森の中の遊歩道を少し歩けば、湖の水平線が視界を横切る。

 

 白鳥待機。

 

周囲を険しい山々に囲まれた支笏湖は、マグマ溜まりが陥没してできたカルデラ湖。

地上では、風不死岳(ふっぷしだけ)の鋭利な先端がくっきりと見えます。

 

スワンボートがたくさん待機していて、それぞれに番号がついており

ぴしっと一列に並ぶさまは軍隊みたいで、なんだかかわいい。

漕ぐの大変なのは分かっているのに、たまに乗りたくなる魔力。笑

 

こちらは恵庭岳の側。

 

透明青。 

 

支笏湖は、とにかく水が青い。

淡水とは思えない、海のミネラル分を多く含んだような、濃い青色。

青いドレスの裾が翻るように軽やかに寄せる波に、魅せられてしまう。

 

風が湖面を渡る、とても気持ちのいいところです。

そして、支笏湖に来たらやりたかったこと、その1。

グラスボート遊覧船に乗ります。

 

グラスボートとは、その名の通り、船底が透明のガラス張りになっていて

そこから湖中が覗けるというもの。

ダイバーになった気分で、この透明な支笏湖ブルーに潜ることができる。

 

 光の楽園。

 

船着き場、地上から見ていては想像できないほどたくさんの魚たちが群れている。

こんなにたくさんいるとは、と驚くほどたくさんいます(笑)

美しいのは、船と船の隙間からこぼれる光に、魚たちが縞々模様に照らされる風景。

差し込む光が水面で柔らかく解きほぐされて、絹の布のように降りてくる。

それはまさに福音で、魚たちが導かれるようにその元へと泳いでいく。

切り取られた一瞬が、いつまでも優しく幸せ。

 

支笏湖の生命の豊かさを感じながら、グラスボート出発。

船内では係の人が湖のことをいろいろ説明してくれるので、

聞きながら景色を見られるのがなかなか楽しい。

 

しばらく進むと、魚たちはいつの間にかどこかへ姿を消してしまって、

底に広がるのは一定の幅を持った砂たちのアート。

 

水の揺らぎ。 

 

風が水の表面を撫で、水が砂の表面を撫でる。

安心を与える一定のリズムは、規則正しい等間隔な波の形を映し出す。

綺麗な砂紋は、人の手に負けない自然たちが描き出す精緻な時の模様。

しばらく、この不思議な水中絵を見ながら船は進みます。

 

ところが、これだけではないカルデラ湖の神秘。

火山口が陥没してできた大地に水が溜まったのがこの湖。

その崩落のしかたは、一様ではないわけで、

水深の深浅の変化は大きい。

 

ずっとこんな湖底が見えているかと思いきや、ボートが急に速度を上げる。

細かな泡が立つのを眺めているもつかの間、このエメラルドグリーンが

瞬きの間に、コバルトブルーに変化して、

まだボートの遥か下、地球の中心に近いところまで、水が続いている感覚を得る。

 

 深海のブルー。

 

つまり、大地がさらに陥没して、急激に水深が深くなるのです。

先ほどまでは比較的浅いところにいたけど、一瞬で深く抜け出せない

湖の中心に来てしまった。

周囲の青色が目に見えて変化して、地球の青色に呑み込まれる。

深度が変わるので、光の入れる波長も変化して色が変身するみたい。

「一気に深いところに出るので色が変わりまーす」と係の人が言っていた、

本当に魔法のような光景です。これはすごい。

 

支笏湖は、最も深いところで360mの深度があるそうです。とても深い。

この深さゆえ、真冬でも凍ることのない、不凍湖です。

およそ湖とは思えない深さ。ここまでくると、光の届かない深海。

その深い深い底の垂直点に、自分が今いるかと思うと、少し怖くもある。

ただ、この青色の変化は目を見張ります。

 

まだまだ!これだけではない支笏湖の大自然。

ブラタモリでも散々出てきた(笑)、これ。

 

マグマの柱。 

 

マグマが冷えて凝固するときに、収縮することで生じる柱状節理

人の手で削り出されたような、真っ直ぐな柱状の岩石たち。

丸みではなく、切り立った角形の集合体というのが、また人工的な感じがして

余計に自然の面白さを実感するというか。

支笏湖の特殊なところは、この柱状節理が、湖中にも続いているということ。

 

 切り出された岩。

 

船の底から甲板に出てみると、湖の上に顔を出している陸地にも

同じく柱状節理が見られ、湖底から陸まで一続きになっていることが分かる。

かなり大きな規模です。

このあたりの浅瀬はまた、違う湖の色を見せてくれますね。

宝石のようなターコイズブルー。海の浅瀬に似ている。

 

支笏湖、大自然のワンダーランドです。楽しい。

このグラスボートだけでも、相当満喫できます。

帰りは船の甲板から、ぐるりと湖を取り巻く壮健な山々を望めます。

 

カルデラを行く。 

 

水中と水上、湖を立体的に捉えることのできるグラスボートの旅、おススメです。

もちろん外に出て受ける風は、強くも気持ちいい!

自然の神秘がまだまだ眠っていそうな支笏湖に、すっかり心奪われてしまいました。

 

次回もその魅力を少しでも届けられるように、

旅は続く。

 *その2~豊かな森~はこちら

 

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