2016.11 ユーシンブルーと箱根探索 1日目 その2 | あおいとあさぎの旅行記 blue × blue journey

あおいとあさぎの旅行記 blue × blue journey

カメラの蒼生≪あおい≫と一緒にまわった、ひとりとひとつの旅のきろく。

その水鏡は、天井を見つめながら、而してどこか別の

夢幻空間を瞳に映しているような、青碧色を湛えている。

彼はいったい何を見据えているのか、その色はどこから来るのか。

*その1~ユーシンブルー~はこちら

 

神奈川県の奥地にある秘境・ユーシン渓谷への冒険。

約3時間弱かけて歩いてきた山の道の先に、求めていた青色を発見。

 

 ダムの秘色。

 

浮かぶエメラルドは、本当にここだけ、たった数メートルだけの秘宝。

他の川の水とは少し成分が違うのだろうか・・・。

とにかく吸い込まれそうになるほど美しい、異国の姫の瞳の色。

 

選択肢。 

 

いくつかある。寒さが増せば、ここに赤も加わってより幻想的に。

空が勝つところもあれば、本来の色を取り戻しているところもあって、

なんと気まぐれな玄倉川。

交ざり合う水面は絵画のように情緒的で、息を呑みます。

 

このハイキングコースは、もう少し先まで続いていますが、

ユーシンブルーが目的だったので、一本道を引き返す。

雰囲気のある、隧道(ずいどう)ふたたび。

 

 くり抜かれた山。

 

岩盤をくり抜いて作られた隧道。

先に出口の光が見えているとはいえ、その一点の安心だけを頼りに

この暗闇に入っていくのはなかなか勇気がいります。

と同時に、未知なる遭遇にワクワクしてしまうのもまた人間の不思議。

 

基本的には同じコースを逆戻りしていくことになるので、

ここからは森の中の小さな命たちにカメラを向けて。

森という一枠でとらえるととても大きな存在のように思いますが、

実際には、命は個々にひとつひとつ、小さなものの凝縮なのです。

 

鐘は鳴る。 

 

落ち葉の隙間から顔を出し、時折音を鳴らす(のかもしれない)

ツリガネソウの仲間みたいな小さな青藤色の花。

頭を静かに垂れる姿はまさに鐘の形、きっとその音色も可憐なのだろう。

紅葉した黄色い落ち葉が風景を飾っているのも、またよしです。

 

こちらはまた縁起の良さそうな葉っぱ。

 

 ハートの連鎖。

 

ここだけ黄色く変化した、蔦植物がこちらに顔を向けて。

ぷっくりきれいなハート型がたくさん連なる様子、かわいい。

ハートをたくさん振りまいて、出会った人みんなを笑顔にしてしまう

幸運な葉っぱたちです。

 

やはり行きよりも帰りのほうが早く感じるのは、

一度通った風景だからか。

でも、行くときには気付かなかった景色が、また心を震わせてくれる。

 

針葉のみち。 

 

秋の深まる頃になっても、たとえ冬が訪れようとも、

絶えずじっと濃い緑を宿してくれる針葉樹たちの安定感と力強さには

感嘆とともに、どこかほっとする気持ちもある。

いつでも森に迎えて、見送ってくれるような静かな意志。

 

この林を抜ければ、来た時と同じようで違う、開けた山々の風景。

 

 秋のパレット。

 

山を覆う数々の色。赤、黄、緑、茶…。

秋色パレットを贅沢に全部使って、この一瞬の景色を描写する。

川砂の白、合間を流れる水の碧。

一体いくつの色があるのか、数えるだけでも相当な苦労。

それだけの主張を見事に調和させる手腕はさすが。

 

川沿いの道を再び戻っていくさなか、徐々に聴こえてくる玄倉川の調べ。

ごうごうとも、しんしんとも。不思議な音色。

やがて全ては高から低へと流れ、大湖へと注ぐ。

 

白糸紡ぎ。 

 

滝を出来立ての繭糸のように美しく撮れると気分が上がりますね。

水の流れを連続して写すのはとても難しいです。。

でも、この景色は逆に人間の目では見られない、写真でしか表現できないので

面白いです。

 

気づくと2時間以上歩いていて、最初のバス停の付近に戻ってきました。

熊に出会うこともなく、無事に怪我なく戻ってこられたことに安堵しつつ、

まだ帰りのバスまで少し時間があったので、丹沢湖近辺をさんぽ。

午後も深くなってきて、低い位置から差し込む西日が、

滑るように湖面をなぞって、光の粒を撒き散らしていく。

 

 宝石の粒たち。

 

水にキラキラと反射する光の粒は目を覆うほど眩しく、

それでも何とかその姿を目に焼き付けたいとカメラを向ける。

長く伸びていく筋は、まるで湖上の道。

どこに続いているかは分からないけど、もしかしたら太陽まで歩けるのかな。

 

奇跡のユーシンブルーに出会い、山からの恵みを体いっぱいに浴びた一日。

ひやりとした空気を吸い込めば、その山の清々しい匂いが鼻腔を満たす。

本格的な山登りをしたことがない人でも、準備さえすれば大丈夫なコースです。

ぜひ、自然界の新たな青色を見つけに出かけてみてください。

 

*2日目 その1~はじまりの太陽~はこちら

 

 

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