2012.9 アートアクアリウム展 | あおいとあさぎの旅行記 blue × blue journey

あおいとあさぎの旅行記 blue × blue journey

カメラの蒼生≪あおい≫と一緒にまわった、ひとりとひとつの旅のきろく。

芸術の秋?も近付いたころ、テレビのニュースでたまたま紹介されていた

この"生きた展覧会"にとても心惹かれました。


アートアクアリウム」展。


何万匹という金魚たちが織り成す美しい調べ。

光とガラスとの共演。

涼しい風を運んでくる、とても不思議な世界です。


日本橋で開催されていたこの展覧会、

一歩足を踏み入れれば、暗い闇の中に浮かび上がる光景に

目を奪われてしまいます。


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紅白舞う。









広い会場に出ると、まず目に飛び込んでくるのがこの大金魚鉢。

ものすごく大きいです。

なかには、ドレスのレースのように薄く繊細な尾ヒレを優雅に舞わせる

いかにも高級血統な感じの金魚が。

体の紅白模様が絶妙で、和の色合いを体いっぱい表現していました。


会場の中央には巨大なひし形の雛壇のようなものがあって、

その中にもたくさんの金魚が泳いでいます。


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朱色の帯。









この金魚たちはよくお祭りでみかける金魚に近い種類かなぁ。

一面朱色のからだがとても美しくて、光の帯ができたかのようです。

群れを成して、全員が同じ方向を向いて泳いでいきます。


次は、クリスタル型のガラス水槽や十二面体型のガラス水槽を

彩る金魚たち。


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閉じ込められた輝き。














照明効果で、クリスタルの帯びている光の色が

瞬間に変わっていきます。

オレンジから紫、緑、青へと…。

そのたびに金魚もその雰囲気を変えて、全体でひとつの大きな

シャンデリアみたいな輝きに。


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虹色の夢。















熱帯魚のように色がトロピカルに見えるのも、

おそらく本来の色というよりは照明によるものです。

ひらひらと目の前を何も気にすることなく通過していく魚たち。

その余裕のある姿、上品な泳ぎ方。

しばらく時間を忘れて見入ってしまいました。


日本の伝統的な赤色を使った金魚鉢が、いくつも等間隔に並んでいる

場所が目に入ります。

とても高価な、伝統的な焼き物の技法で作られた金魚鉢だそうで

その中には、水草と各々1匹ずつ、白にひとすじ紅の差した

優雅な金魚が住まっていました。


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整列する。









このような数々の展示作品を見たあと、移動すると人だかりが。

なんと、金魚×デジタル映像のコラボレーションです。


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power of color.







金魚の泳ぐ水槽のうしろがスクリーンになっていて、

そこに映像が投影されていきます。

題名は「水中四季絵巻」。


春、夏、秋、冬のそれぞれの日本の景色が

ふすまの向こうから現れて、美しい光景を演出します。

その前をゆっくりと、ひらひらと通りすぎていく金魚たち。

不思議なセッション。


冬景色が一番きれいだったかなぁ。


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雪は深く。





白と魚たちの持つ色のコントラストが一番映えていて。

こういうのもアートなんですね。


さらに進むと、金魚たちの水槽の中に万華鏡が取り付けてある水槽があって

覗きながら通り過ぎると、最後に大屏風が現れました。

これが自分は展示のなかで一番好きでした。


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木々想々。









6枚の水槽、それぞれに1種類ずつの金魚がいて

上へ下へと自由にすいすい泳ぎ回っている。

そのうしろのスクリーンに、最初1本の大木が生え、

やがてまわりに草花が育ち、鳥や蝶がやってきて、

ひとつの森が完成していきます。

自然のサイクルと、それを彩るように見守るように、

優雅に舞う金魚たち。

ずっと眺めていたいという気持ちにさせられます。


生きたものを使ったアート。

これには、魚たちがかわいそうだよねとおっしゃっている方もいました。

アートを、人間のエゴだと捉えれば、確かにかわいそうかも。


だけど、こういうことを考える方たちだからこそ、

芸術の対象として誰よりも金魚に対して敬意を持ち、

体調だったり環境だったりに気を遣っているのではないでしょうか。

そうであるからこそ、この展覧会も実現できたものと信じたい。


生きた芸術、その瞬間瞬間・見る人によってまったく違ったものに見える

アート。

その感覚はとても不思議でおもしろく、だからこそ自分が見たものを

しっかり閉じ込めておきたいという気持ちにもなります。


晩夏、涼しい風を求めて訪れたこの展覧会。

いろいろ考えさせられましたが、やっぱり最後は「美しかった」の一言でした。