私が毎週楽しみにしているNHKの歴史番組で今週は武田信玄の弟の武田信繁が紹介されていました。
この武田信繁が子供に送った家訓が、まさに今のSNS選挙時代に通じる内容だったので、一部ご紹介したいと思います。
⇒ それ以外も会社の人間関係や仕事にも参考になるものが多かったです。
① デマ・誹謗中傷に加担しない
SNSでは、不確かな情報や悪口があっという間に拡散されます。信繁はこう説いています。
> **「虚言を弄してはならない」**(第5条)
> **「人前で他人を非難したり、陰口をうわさしたりしてはいけない」**(第93条)
> **「人を陥れるために告げ口する者を許すな」**(第23条)
「嘘をつかない」というのは当たり前ですが、匿名性が高いネットでは忘れられがちです。また、他人を公然と非難したり、陥れようとする行為を厳しく戒めています。
さらに、信繁は情報の拡散力についても触れています。
> **「他人に、自分の家中の悪事を決して語ってはいけない。悪事千里を走る」**(第37条)
悪い噂ほど、千里を走るように早く広まる。これは現代の「炎上」や「リツイート」のスピード感そのものですね。ネガティブな情報を軽はずみに発信することのリスクを、彼は熟知していたのです。
② アンチコメントや批判への対処法
自分の支持する意見が批判されたり、自分自身が攻撃されたりすると、ついカッとなって言い返したくなりますよね。しかし、信繁は「堪忍(我慢)」の重要性を説きます。
> **「いつでも堪忍(我慢、辛抱)が大事である」**(第16条)
> **「部下や周囲の批判はよく聞き届けて、どれほど腹が立っても堪忍して、自分が向上するように努めること」**(第86条)
腹が立っても、それを自分の向上のために使う。アンチコメントに即座に反応するのではなく、一呼吸置く冷静さが求められます。
また、もし自分が間違っていた場合は、素直になることが最強の防衛策です。
> **「自分の過ちがあったときに否定して争論してはいけない。過ちを犯して改めないことが本当の過ちである」**(第60条)
SNSでのレスバトル(論争)についても、信繁ならこう言うでしょう。
> **「わざわざくだらないことまで何でもかんでも人と争ったりすることはしてはいけない」**(第55条)
不毛な争いはスルーする力(スルー力)も、現代の必須スキルと言えます。
③ エコーチェンバー現象に陥らないために
SNSでは自分と似た意見ばかりが集まり、偏った考え(党派性)が強化されがちです。信繁は、徒党を組むことを戒めています。
> **「党派・徒党を組んではいけない。公平に広く人と親しむこと」**(第91条)
> **「嫉妬は絶対に咎め、許してはならない」**(第67条)
特定のグループだけで固まらず、公平に人を見る目を持つこと。そして、他者への嫉妬や足の引っ張り合いをしないこと。選挙期間中こそ、冷静に「公平さ」を保つ必要があります。
また、情報収集についてもこう述べています。
> **「自国、他国の情勢について詳しく調べておくこと」**(第35条)
> **「自分の力量に達しないことに発言をしないこと」**(第8条)
なんとなくの雰囲気で発言・拡散するのではなく、しっかりと情勢を調べ、自分の理解が及ばないことには口を出さない慎重さも、情報過多の時代には大切ですね。
まとめ:油断せず、日々反省する
最後に、信繁が99箇条の最後で伝えたかったことは、日々の積み重ねでした。
> **「すべてのことにわたって、油断してはいけない。日々に三度、自分の言動を反省すること」**(第98条)
> **「何事も怠ってはならない。飽きることなく一心に努力することがなによりも大切である」**(第99条)
SNSという便利なツールがあるからこそ、私たちは「言葉の重み」や「他者への敬意」を忘れがちになります。
SNSはわざと感情を掻き立てるように刺激的な投稿を私たちに提供します。
「仁(思いやり)を忘れてはならない」(第1条)という彼の最初の教えこそ、今のSNS選挙時代に一番必要なOSなのかもしれません。
少しでも心穏やかに、そして賢くネット社会を生き抜くヒントになれば幸いです。
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(出典:西村法律事務所「武田信繁家訓」より抜粋・構成)