金曜日に受けた術前オリエンテーションで、緊張感が高まっている小心者です。
緊急帝王切開では、バタバタと処置をされながら、あれよあれよと同意書にサインをさせられ、覚悟を決める間もなく切腹された訳です。
予定帝王切開だと、何時から絶食で、何時から点滴で、朝まで排便がなかったら、浣腸して…
手術台でエビみたいに丸まって、麻酔して、温感刺激があるか腹部でチェックして…
聞いている間に思い出したよ、あの怖さ。
意識はあるのに、触られている感覚はあるのに、内臓切られている恐怖感。
「赤ちゃん、産まれますよー」って陣痛もないのに、言われたかと思ったら、地震並みにユサユサ腹を左右に揺さぶられて、オギャーと産まれた坊や。
しばらくして、隣に連れてこられた坊やを見て、こんにちは赤ちゃん。と挨拶をして、預かられていきました。その後は全身麻酔に切り替えられ、縫合処置を終え、帰室し、目が覚めた夜中からは、寝返りも出来ない痛みに悶え苦しみ、座薬に助けられた。
懐かしき一年と少し前の出来事。
予定日超過で破水して陣痛来なくて、子宮口開かなくて、胎児心拍低下して。
産後は帝王切開を回避できた方法がどこかにあったのではないかと疑心暗鬼になって。
あと数日待ってくれたら下から産めたんじゃないかとか。こんな肥厚性瘢痕の汚い傷痕作らなくて済んだし、今回だって、何週で産むと決めて、子宮破裂に怯えず、予定日前に帝王切開しなくて済んだんじゃないかとか、いろいろと考えてしまいました。
それは、やはり、緊急だったから、気持ちがついて行ってなかったし、説明もろくに聞けなかったからでしょうね。
今回主治医に、その話を打ち明けると…
・破水している場合の感染症のリスク
・破水して子宮口ガチガチでは2、3日は産まれないだろうとの見解
・子宮口が開かず胎児の位置も高い状態での促進剤は無駄に陣痛を起こして、臍帯の血流を悪くし、赤ちゃんを苦しめるだけ
・心拍低下している時点で、赤ちゃんからの、しんどいよ、助けてのサイン
・下から産みたいか、帝王切開か、なんて母体の希望なだけで、どちらが優れたお産という訳ではない。ゴールは母子共に無事であること。
・肥厚性瘢痕、ケロイドはコラーゲン生成における遺伝的な体質。
・赤ちゃんを助けるために帝王切開を受けた判断は正しかった。
・あと数日待ったら、確かに下から産めた可能性はある。同時にあと数時間待ったら、障害が残った可能性、死産していたリスクもある
そこまで聞いて、そうか。
あの緊急帝王切開は間違いではなかったのか。だって坊やは、元気に生きている。
もし、数時間、陣痛を待ってもらって、赤ちゃんに異常が起きてしまっていたら、それこそ、本物の後悔が待っていたかもしれない。
結果論でしかないのだけど。
私と坊やは結果的に無事だった。だからもう、産んだ方法に拘るのは辞めようと、やっと思えた。
先生、火曜日よろしくね。
ムチムチの赤い傷痕、綺麗にしてね。
またケロイドになるかもしれないけど、一旦は綺麗にしてね。
傷の心配は、無事に産まれてからね。と念押しされる
切られたくないとか、傷痕がとか、結局、私は自分の心配ばかりしていた。そうだ、赤ちゃんが元気なことが最優先だ。まだ、障害があるかどうかも、対面してみないと分からないのだから。
元気な産声は、聞けるだろうか。
明日は、体調が良ければ、短時間だけ、夫と坊やと娘と、院外で面会が出来る。
車イスに乗って、助産師さん付き添いの元、ほんの少しだけ病院の玄関先で。
泣いてしまいそうだ。