今日は悪阻の話は置いといて、夫との馴れ初めについて書いてみたいと思います。
決して明るい話ではないので、苦手な方は無視してもらって大丈夫です。
夫とは小学校1年生の時に知り合いました。
私は家庭環境が複雑で今で言うなら児童相談所が介入してもおかしくない家庭でした。
ランドセルは買ってくれたし、服も用意してくれたので、虐待とは言えません。入学式にも来てくれました。まだマシですね。こんな程度でネグレクトなんて言っていたら本当に辛い思いをしている人達に怒られそうです。
放課後は学童に入っていなかったので、姉と2人で家でお留守番です。父も母もほとんど家には帰ってきません。
母親が泥酔状態で男の人とたまに帰ってきて、ご飯代を置いて行きます。
父親は女の人を連れ込み子供の前でイチャイチャし出します。今でもその記憶は消えません。そうなると気まずいので姉も私もそれぞれ家を出ます。夕方の公園でポツンと1人、暇を潰していました。
神社の中の小さな公園でした。
夫は、よく友達とその公園に遊びに来ていました。クラスは別ですが同じ学校の同級生でした。
そしてよく、話しかけてくれました。
一緒にブランコをこいで、何でもない話をして、靴飛ばしをして遊びました。
小学校高学年になる頃には、私の家庭環境が悪いという噂は広がり、一部の人達は離れて行きました。イジメにもあいました。
夫だけは変わらず仲良くしてくれました。
夫の両親も私に優しく接してくれました。
学校帰り、一緒に家に連れて帰ってくれて、ご飯をご馳走してくれる日も多々ありました。
手作りの料理の暖かさに感動したものです。
クリスマスにはサンタクロースが来ると教えてくれたのも夫です。
プレゼント何をお願いするの?ってキラキラした純粋な瞳で見つめられ、うちにはサンタもヨンタも来たことないよ。なにそれ?状態でした。
夫はびっくりしていました。
きっと可愛い良い子のところにしか来ないんだ。そう思いました。
中学生になった頃、同じく家庭環境の荒れた人達と仲良くするようになりました。
夫は必死に止めてくれました。
私が何度拒絶しても、夫は、悪い人達と付き合ってはいけないと手を離しませんでした。
いつでも優しくて穏やかで怒らない夫に少しずつ惹かれていきました。
私達は付き合ってはいません。
幸せな家庭で過ごす夫とは、どこか世界が違うように感じ、好きな気持ちと裏腹に、冷たく突き放すことが多かったです。
それでもいつも変わらずに接してくれました。
非行に走らず済んだのは夫とそのご両親のおかげです。今でも感謝しています。
高校生になっても私達の関係は変わりませんでした。姉は家出をし、消息不明に。
その頃仲良くなった友達が看護師を目指していて、人の役に立ちたいという気持ちに共感し、一緒に看護学校を目指すことになりました。
看護師になり2年目、夫の両親が突然事故で亡くなりました。親戚も遠く、兄弟もいない夫は23歳で独りぼっちになったのです。
あまりに突然の出来事でした。
夫は2年ほど塞ぎこみ、仕事も辞め、引きこもっていました。何度も引っ張り出そうと家に通い、連絡をしましたが駄目でした。
諦めかけた25歳のある日、夫から連絡が来て、久しぶりに昔よく遊んだ神社の中の小さな公園で会うことになりました。そこで、言われました。誰も自分達を知らない土地で人生を再スタートさせたい。結婚して下さい。
付き合ってもないのに突然のプロポーズ。
小さい頃からいつも助けてくれた夫が立ち直ってくれるならと、少し迷いながらも承諾しました。
そして私達は金銭面を含めた準備期間を経て2年後に地元から遠く離れた土地に引っ越し、新生活を始め、1人目妊娠発覚と同時に婚姻届を出しました。
今年で結婚7年目になります。
小さな不満はあるものの大きな喧嘩をすることもなく、わりと平和に過ごしてきました。
環境を変えたことは、私にとっても正解でした。両親の呪縛から解放され、誰も偏見の目で見てこない。この土地では夫以外に家庭環境のことを知る人は居ません。どれだけ親しくなっても言えません。拒絶されるのが怖いのです。
夫には本当に感謝しています。
悪阻で死にそうな時にまだ次を産めと言われた時は瞬間的に離婚が過りましたが、多分、実際に行動に移すことはないと思います。
どん底を味わったことがある長い付き合いの2人なので、恋人同士のような熱々な期間はないものの、絆は強いと思っています。
私の人生の目標は夫よりも先に死なないことです。もう引きこもらせたくない。先に死んだら引っ張り出せないから。
そう言いながらも、夫の愚痴は溢すのですが。
結婚式も新婚旅行も行ってないし。
婚約指輪も貰っていない。
妊娠、出産、育児関連のことで離婚したいと思ったことは何度もあります。
男性と女性、どれだけ長く一緒にいたって心の中が透視できる訳でも、全てわかり合える訳でもありません。
妥協と受容も大切かと思います。
偉そうに語っておいて数年後に離婚していたらすみません…
人生何があるか、いつ死ぬかわかりません。
過去を回想し出す時って死ぬ時でしょうか。
なんて冗談でも言ってはいけませんね。
さぁ、今日も、側にいてくれる人々に感謝しながら、今日出来ることを頑張りましょう。