生理が遅れていることに気がついた。
避妊には気を付けてきた。
子供は2人までと決めていたから。
まさかとは思ったけど
眠気、吐き気、寒気
嫌な予感
ティッシュペーパーのストックを買うついでに
妊娠検査薬を買った。
抱っこ紐の中には8ヶ月の乳児
右手には年長さんの幼児
レジのお兄さんに何人産むんだよって思われたかな。
帰宅して、上の子にそれなに?と聞かれ、なんでもないよと答え、検査キットを持ってトイレへ。
誰にも言えない。孤独…孤独…。
陽性の線がクッキリ。
きっと不妊治療を頑張っておられる方々からしたら、最低なんだろうな。
こんな気持ち。
涙が出た。嬉しくてではなく、不安で、後悔で、怒りで。
どんな避妊方法でも100%はない。
欲しくなければセックスしなければいい。
無責任だと自分を責めた。
中絶可能な病院を検索。
夫にも報告し、中絶の了承を得る。
育てるのはママだから、ママが決めたらいいよとあっさり言われた。
夫婦2人の子供のことなのに。
責任は母親?夫に込み上げる無意味な怒り。
陽性判定当日
産むという選択肢はなかった。
中絶に関して調べては涙が出た。
テレビに映る赤ちゃんから反射的に目を反らした。
一生、"めばえ"は直視出来ない。
一生、笑えない。
何も楽しいと感じることができないだろう。
授かった命を殺すのだから。
4週と3日目、中絶するための病院の初診を予約した。
子供は自分で母親を選んで産まれてくる。
神様からの授かり物、奇跡。
本当にそうだろうか。
だとしたら毎日400件近く行われている中絶手術、子供は本当にそんなことを願ったの?
そんなことを考えていたら、いつも深夜になる。食欲もない。眠いのに眠れない。
このときは、ただただ辛かった。