こんにちは。血液内科の方の院生Tです。

 

今回は、2020年2月8日の医師国家試験に向けて、ヤマかけ記事でございます。

捨て問で有名な、血液疾患に出てくる染色体異常をまとめてみました。

お役に立てれば幸いです。

自己流の覚え方なので、覚えにくかったらごめんなさい!

 

【病気と1対1対応編】

 

t(9;22)(q34;q11)→CMLとALL。BCR-ABL融合遺伝子。イマチニブなどによる治療。

覚え方「慢性だけど「急にだにゃん(922))」」

 

t(8;14)(q24;q32)→Burkittリンパ腫。他にもt(2;8)(p13;q24)やt(8;22)(q24;q11)もあるけど、試験に出るのはこれ。

覚え方「8はBurkittのBと似ている。14はIgHのHとデジタル数字で似ている)」

 

t(15;17)(q24;q21)→PML/RARA。APL。DIC合併。トランスレチノイン酸や亜ヒ酸による治療。

覚え方「特になし。個人的には友人の誕生日と自分の誕生日なので「良い奴そう」と覚えている」

 

t(11;14)q(13;32)→マントル細胞リンパ腫。cyclin D1遺伝子異常。血液専門医試験には出るけれど国家試験にはでなさそう。

覚え方「cyclin D1の1が11。14はIgHなので覚えてる」

 

t(14;18)(q32;q21)→濾胞性リンパ腫。bcl2遺伝子。

覚え方「14はIgHなので覚えてる。18はbcl2がだんだん苦しくなって2×9=18」

 

【病気の予後や治療に関連する編】

 

AML予後分類に関連するもの

予後良好群:t(8;21)(q22;q22.1), inv(16)(p13.1q22), t(16;16)(p13.1;q22), t(15;17)(q24.1;q21.2)

予後不良群:3q異常, 5番・7番染色体の欠失または長腕欠失, t(6;9)(p23;q34.1), 複雑核型

覚え方:「偶数は良い奴(t(15;17)はAPLなので別格)。奇数は悪いやつ(6は奇数の仲間に入れるとする)」

 

ALL予後に関するもの

t(9;22)(q34;q11.2)→BCR-ABL融合遺伝子。今後の予定としては骨髄移植が第一選択となる(ポナチニブが出てきたので、条件によっては骨髄移植をしない選択も出てきたが・・・まだ確定ではないので、今のところは移植を念頭におくのがスタンダードだと認識しています)。覚え方はCML参照。

 

骨髄異型性症候群(MDS)予後に関するもの

del(5q):レナリドミドが使える。この問題が国家試験に出た最初の年は「マニアックすぎる」と誰もが思ったはず。

    覚え方「5qが出たら号泣(レナリドミドが使えて嬉しいから)」

予後very good:-Y、del(11q)

予後good:正常核型、del(5q)など(たぶん出ない)

予後intermediate:del(7q)、+8、+19など(たぶん出ない)

予後poor:-7、3q異常、double including-7/del(7q)、3つの複雑核型。

予後very poor:4つ以上の複雑核型

 

多発性骨髄腫(MM)予後に関するもの

予後不良群:13q欠失、t(4;14), 17p欠失→おそらく試験関係には出ません(あまり治療法に影響しないので)。

 

以上、染色体異常特集でした。

血液内科専門医試験や内科専門医試験にも使えるように、少し詳しめに書いてしまいましたが・・・

太文字にしているところをとりあえず復習しておくと、何か良いことがあるかもしれません。

 

最後に気休めとして、自分自身の医師国家試験の思い出を書くと、

血液内科の問題はほぼ全部間違えました。

それでも受かってますので、血液内科は解けなくても気落ちする必要はないです。受かります。

あせらずに全力が出せるよう、みなさん頑張ってください!

 

画像はこの前食べた漬け丼です。

海鮮丼系の食べ物に卵黄を載せるのは、やや邪道な気もするのですが、結局美味しいのです。