159回
このブログは何だ?と思う方は、2024年12月3日付の第1回をお読みください。
P.62~63
第2章 人のあり方について
「これに反して先に述べたフィリステルの定義なら、これに特殊な解説を付することも容易だし、事柄の要点、すなわち俗物の俗物たるゆえんのすべての特性の根源をも十分によく表している。これによれば、俗物とは精神的な欲望をもたない人間である。さて、ここからは実に色々な結論が出てくる。第一に、俗物その人を見るに、
先に揚げた「真の欲望がなければ真の快楽はない」という原則のとおりに、精神的な享楽をもつということがない。認識と洞察とを、認識と洞察そのもののために求めようとする止むに止まれぬ衝動もなく、またこれと全く類縁関係にある真に美的な享楽を求める衝動もないから、これによって生活が活気づくこともない。けれども流行とか権威とかいったようなもののために、こうした種類の享楽を否応なしに押しつけられる場合にも、いわば一種の苦役としてなるべく早く済ませてしまうであろう。」
「精神的な欲望」、「精神的な享楽」、「美的な享楽」とは?