前々から気になっていた、千葉県流山市の流鉄に乗ってきた。

ずいぶん家から遠い気がしていて、なかなか行く気にならなかったが、西日暮里駅から常磐線相互乗り入れの地下鉄千代田線でたった25分ほど。あっけないほど近かった。これならもっと早くに来ておけばよかった。

 

常磐線、馬橋駅に流鉄の一端の終着駅がある。もともと流山市から、この常磐線への連絡線の性格が強かった。

常磐線馬橋(まばし)駅のホームから、流鉄馬橋駅ホームを見る。

跨線橋で渡っていく。

跨線橋内

右に階段を降りると流鉄の改札がある。

いきなりローカル線の雰囲気に。

階段下から

 

券売機、駅事務所

 

駅改札。全駅に自動改札機はない。ICカードも使えない。東京からこの近さで、ICカードが使えないと話題になっている。だから全6駅に駅員がいる。電車はワンマン化されているから、さらなる合理化は駅員をなくすしかないだろう。でも自動改札は金がかかるから、この前乗ったことでんのように運転手が改札するしかないかな。

 

1日乗車券(500円)を買った。何かのキャンペーン中らしい。

終点まで乗っても片道200円。

 

ホームに入る。

 

ホームは1面2線。普段はこの1番線をもっぱら使用しているようだ。

 

ホームの屋根と柱が木製。うーん、渋過ぎる。

 

古風な駅名表示も残っている。

 

終点の流山駅までは11分。営業距離は、5.7km。全線、単線。

昼間は、20分間隔、朝夕は、15分間隔で運行。

 

車止め。↑1番線。ホームから遠い。↓2番線側。

 

ホームの先端から、流山方面を見る。

右側の線路はJR。

 

ここからは、【車両編】。

流鉄には、2両編成の電車が5編成ある。

そのそれぞれの編成に愛称があり、塗色もすべて違う。全5色。こういうのが面白い。これがすべて1種類の共通塗色なら、わたしには興味がないし、来なかっただろう。

現有車両は、すべて元西武鉄道の新101系。流鉄では5000系。2009年から2013年にかけて、順次西武から譲り受けた。

 

塗色で全編成に共通するのは、車体横に大きなアルファベットの「N」の文字。流鉄の前の社名が、流山電鉄だったのでその頭文字のNか? とにかく流鉄のRではない。

流山駅ホームの乗車位置表示。全5編成の先頭部分が描かれている。なかなかいいね。

 

【5001/5101編成】 愛称;さくら 塗色;ピンク

ヘッドマークのここには本来「さくら」とあるはずが、1日乗車券のデザインと同じ「彩り電車と思い出の宝探し」というキャンペーンのデザインになっている。

 

 

ドアには塗装されていない。

 

 

【5002/5102編成】 愛称;流星 塗色;オレンジ

 

 

 

 

 

【5003/5103編成】 愛称;あかぎ 塗色;エンジ色(濃い赤色)

 

 

 

 

 

【5004/5104編成】 愛称;若葉 塗色;黄緑色

 

 

 

唯一の列車交換駅、小金城址駅にて。

 

 

 

 

【5005/5105編成】 愛称;なの花 塗色;黄色

 

 

 

 

 

最近の流鉄の車両トピックス 「オムライス電車」

2021年11月に黄色の塗色の「なの花」の5005が故障。運悪く赤色の5003編成の「あかぎ」がオーバーホールに入っており、運用が窮屈になった。そこで窮余の策として、不具合のないなの花の5105と検査の終わったあかぎの5003を合体して赤と黄色の混色編成で、ひと編成をひねりだした。

その後、あかぎの5103の検査となの花の5005の修理が終わった際に、元の編成に戻さず、あえて混色を2編成とした。

赤と黄色でケッチャップとタマゴ色の連想からいつか、いつしか「オムライス電車」と呼ばれるようになって、話題に。

今回わたしが行ったときには、あかぎは2両とも赤色で走っており、なの花は検車庫でまだ連結はされていなかったが、2両並んでいた。約2年のオムライス電車は解消されたようである。

 

さて、いざ流山駅に。たったの11分。近い。

見たところ枕木は、木材とコンクリート製が混在しているようで、乗り心地は去年乗ったことでんよりはずっと良い。最高速度は60km/hを上回ることはないようだ。

 

車内の路線図。シンプル。

 

 

ホームは1面2線。普段は、1番線をもっぱら使用しているようだ。

 

ホーム1番線側から。左の線路は検車庫に通じている。

 

中央に見える分岐から、右手に2番線と行き止まりの2線に分かれる。

行き止まりの線路は、廃止された貨物線に通じていたと思われる。

 

 

奥に検車庫。手前が留置線を兼ねている。ここに3編成見えているので、日中は2編成が常時運行していることになる。

 

2番線の車止め。1番線は、そのまま留置線につながっているので車止めは見えない。

奥は駅舎。

 

有人改札。だが、駅員はホームで改札していた。

 

券売機。右手が改札口。

券売機上の運賃表。

 

駅舎。木造。一応タクシーもいた。

 

架線トラスの向う側に、跨線橋がある。左手にわたると流山市役所がある。

 

跨線橋に行ってみた。

跨線橋から。馬橋駅方面を見る。真ん中の線路が本線、1番線に通じる。

 

跨線橋から。左がホームの屋根。真ん中が1番線とその先の留置線。右側の2線が検車庫に通じる。2両編成のみということもあるが、コンパクトにまとまっている。

 

跨線橋を渡って、市役所へ通じる道路から見下ろす。

ホーム全景。

 

駅で見かけた面白いもの。

古いポイント切り替え器。今あんまり見ない。

 

今はもうLED表示が、当たり前。

 

 

電車を模した自動販売機。

その自販機の側面に、なんとも不釣り合いな、立派な社名と社章。

 

帰路につくため馬橋駅にもどります。

全線だいたいこんな雰囲気。

 

マンションの1階にある駅として有名な幸谷駅。馬橋からひとつ目。

 

 

馬橋駅を望む。ちょっと見にくい。

 

最後に「流鉄」の歴史。

 

1913年(大正2年)  流山軽便鉄道 設立

1914年(大正3年)  営業開始

1922年(大正11年) 流山鉄道に社名変更

1924年(大正13年) 1067mmに改軌

1949年(昭和24年) 電化

1951年(昭和26年) 流山電気鉄道に社名変更

1967年(昭和42年) 流山電鉄に社名変更(東京から流山に本社移転を機に)

1971年(昭和46年) 総武流山鉄道に社名変更

1977年(昭和52年) 貨物営業廃止

2005年(平成17年) 流鉄に直角に交わるようにつくばエキスプレス(TX)が

           開業。流鉄の旅客が激減。1993年に年611万人だったもの

           が、TX開業翌年の2006年には349万人に。2021年には、 

           コロナの影響もあり244万人に落ち込んだ。

2008年(平成20年) 流鉄に社名変更 理由は不明

2010年(平成22年) 全線完全ワンマン運転開始

 

こうしてみると社名変更が多い。通称なら流鉄もあるかと思うが正式名称だからね。わからない人もいるだろうな。似たような社名に静鉄がある。静岡鉄道の正式社名。

まあいいけど。

 

別ブログで、流山駅から分岐していた貨物線、万上線について記す予定。

関東の人なら聞いたことがあるだろう「万上みりん」の工場への短い引き込み線があった。今はもうない。

 

車両図鑑|流鉄 (ryutetsu.jp)

 

ギャラリー|流鉄 (ryutetsu.jp)