最近、日本中で街中にクマが出没するというニュースが多くなっている。

中には人が襲われて、命を奪われることもある。

 

それらのニュースでアナウンサーが読む原稿は、おおむね以下のようなものだ。

「冬眠に入る前のクマは食べ物を求めて歩き回っています。しかし今年は夏の猛暑の影響で日本中で山のドングリが不作のため、食べ物を求めてクマが街へ降りてきています。」という感じだ。

 

この中でわたしが気になるのは、山ではドングリが「不作」で、という「不作」という単語の使い方である。

わたしの認識では、「不作」それに対する「豊作」という言葉は、そもそも農作物に使われる言葉である。山で自然になるドングリは、人が育てているものではない。

だから、山のドングリに豊作も不作もない。

「山のドングリが豊作です」、と聞くとより分かりやすいと思います。おかしいでしょ。

 

辞書を引いても、豊作も不作も、農産物、作物のできが良い、悪いに使う言葉とある。

 

では、なんと表現すれば良いのか?

たとえば、「山でドングリの実のなりが悪く」とかであろうか。

 

最近テレビのニュースなどで、首をかしげたくなるような表現が耳につく。

今日もNHKで、「ご覧できます」と言っていた。「ご覧いただけます」だろうが。

NHKも落ちたものだ。

原稿を書く力、それをチェックする能力が低下しているのであろう。おかしな表現でも、おかしいと感じなければチェックもできるはずがない。