- Write The Story- -4ページ目

- Write The Story-

このブログは希罪のサブブログです。
こちらでは基本、小説、詩、デコメなどを投稿します//

気軽にコメしてください!


3.右手の絆創膏.

甲高いチャイム音が学校中に響き渡る。よく考えれば、何とも歪な音階である。終令を告げるという目的だけならば、寺院で用いられるような鐘を叩けばいいのではないのか。態々、リズムを付けた理由とはどのようなものなのだろう。
そんな事を考えていると、何時の間にか私の周りには人集りが出来上がっていた。いや、徐々に膨れ上がっていた。席に座っている私の右側を主に、都会に聳え立つビル群のように集っていた。それは日本の急速的な発達のように増えて行き、私の周り一帯を包囲する形となった。こうなるのは、転校生の宿命である。
人混みは決して好まない。今すぐにでも、廊下へ逃げたいのは山々だがこの状態では、椅子を引くことさえ、ままならない。仕方なく、せめて視界の中にそれら入らないように顔を机に伏せた。

「聖磨くんてさ、何で引っ越してきたの?」「この前のドラマ、かっこよかったぁ!」「ねぇねぇ、彼女とかいるの?」

そんな責め立てるような、質問が飛び交っていた。時折悲鳴のような奇声が耳に入ってくる。
私は諦めた。無理だ。視界に入らないようにしたところで、この状況から逃れようとするのは不可能だと。私は仕方なく、次の授業の教科書を取り出してから、一冊の本を開いて読書を始めることにした。五百ページは悠に超える持ちにくそうな分厚い本は、いつのまにか自分の掌にフィットするようになっていた。
そこで右の掌に違和感を覚えた。何か、あるはずだったものがなくなったような。共に、締め付けられていたものがなくなったようは爽快感も覚えた。いつもならば、あるはずの本の表紙の定位置が模索しても見つからない。
「ん?」と一旦、本に紺色の馴染んだ栞を挟み、机の端に置いた。それから掌を広げて見てみると、フィットしない理由が直ぐに分かった。貼っていた筈の絆創膏が剥がれかかり、辛うじて左半分の粘着力でぶら下がっている状態になっていた。右半分は埃等が付着し、全く引っ付かない。無論、ガーゼ部分は役目を果たせていない。その部分にある僅かな血の付着した型は、既に茶色がかっており、かなりの時間が経ったと推測される。しかし止血していた訳ではない。傷口からは真紅の色をした鮮血が針の様に、細く湧き出していた。そのことに気付くと、頭の中でここ小一時間の記憶が一斉に蘇ってきた。
卸したての上靴を履いたとき、鞄をロッカーへいれたとき、珍しく丁寧に書いたノートを提出したとき、新品のシャーペンを使用したとき、教科書を準備したとき、お気に入りの本を開けたとき。私は確かに……右手を握り締め、た?