『モンゴメリ「赤毛のアン」への遙かなる道』
ハリー・ブルース著

モンゴメリ伝記を見つけてまたまた購入。活字も大きく、ルビ入りで子供向きかと思いきや、のっけからモンゴメリのプロポーズどろどろ状況から始まってびっくり。(本当に子供向け?)。
こう何冊も同類の本が出ていれば、目新しいこともあるまいと思いきや・・・新しい目線でメスが入り、興味深く読めた。何が新しい目線かって? いやーそれはねー、モンゴメリが実はいやーんな人間ではないか説。

まず、この本を読んで、モンゴメリという女性に共感する人が(ファンとか信者以外で)いるのだろうか? 好きになったという人がいるのだろうか? というほど、モンゴメリという人物がある意味、赤裸々に描かれているのだ。
まず、読んでいて気になるのが、随所に現れるモンゴメリの計算高さ。頭がいいだけあって、決して感情に溺れない。男を愛しても教養と身分で線を引き、言い寄る男どもは片っ端から上から目線ではねのける。気取り屋で頭いいのを鼻にかけ、おしゃべり、噂話が大好きで、表向きはニコニコ、でもその裏で毒づく裏表の演じ分け。何かと良い家柄を気にする何様ぶり。誰よりもすてきなドレスを着ていないと気が済まない、とか。いるいる、こんな女子。いやな女子。

モンゴメリの女子女子した生きっぷりを、こうも露骨に描くとは。モンゴメリ信者がひたすら甘く理想化してしまうところを容赦ない。まだ最後まで読み終えていないが、読み終わる頃にはすっかりモンゴメリに辟易してしまいそうな予感さえする。熱心なファンならこれをどう読むのだろうか。
ハリーという著者はどういう目的を持ってこの本を書いたのだろう? 少なくともモンゴメリへの愛情からではないだろう。モンゴメリが実際はどういう人物だったかはともかく。(本当にこうだったかもしれないけどね)