社長になる男11のつづき。

オレが新卒で入ったブラック企業に「このプロジェクトを最後に辞めます」と言ったあと、
ST部長の部下のYZ課長から個人PHSに電話がかかってきた。

YZ課長「**、辞めるんだって?辞める前にさ、俺の事業部に遊びにきなよ。」

オレ「はあ。」

YZ課長「もしよかったらさ、事業部を変えてうちの会社で仕事を続けるっていう選択肢もあるぞ。」

オレ「はあ。」

YZ課長「STさんの下は、できる人間ばかりだし、仕事がやりやすいよ!」

YZ課長「予定あいたら、連絡くれよな!」

YZ課長も、もともとオレと同じ「東京の西の果て事業所」に在籍していたのだが、
STさんが「東京の東の事業所」に異動になった際に、会社に異動願いを出し、「東京の東の事業所」に行ったのであった。

YZ課長はST部長信者であった。

オレは会社に辞めると言ったものの、この時点で次の会社が決まっていなかった。

残業、残業、休日出勤、休日出勤で履歴書を書く暇などあるわけがなかった。

またSTさんの下で働けるのなら、この会社に残るという選択肢もあるのだろうか?

オレは激しく悩んだ。

そしてプロジェクトが一段落した2004年5月の晴れた午後、ST部長、YZ課長に会いに「東京の東の事業所」に行った。

つづく。