逆上がり、短距離走、ドッジボールの練習1のつづき
「鉄棒くるりんベルト」が家に届いた翌日。
少し肌寒さを感じる日曜日の14時、オレは息子を連れて、自宅近くの公園へ行った。
まずは現状の把握だ。
オレ「とりあえず、逆上がりをやってみ」
息子の試技を見たが、太っていて、身体も硬く、助走をつけても足が地面からほとんど上に上がっていなかった。
試しにオレもやってみた。
小学生のとき以来に鉄棒を握ったが、2、3回軽く体を慣らしただけで、逆上がりができてしまった。
オレ「じゃあ、今度はこのベルトをつけてやってみ」
「鉄棒くるりんベルト」を息子の腰に装着し、改めて逆上がりに挑戦させた。
気合を入れて20回ほどトライさせてみたが、結果は惨敗だった。
回れる気配はまったくなかった。
この日に備えて、オレは事前にYouTubeで「逆上がりのコツ」を予習していた。
動画の解説を見ると、「逆上がり」という技が、複雑な身体動作の集合体であることがよく分かった。
YouTubeで仕入れた分析結果を整理すると、逆上がりには以下のプロセスが必要だった。
1. 助走と踏み切り(初期加速)
踏み切り足の強い押し:地面を強く蹴り、体の上方への推進力を生み出す。
振り上げ足の加速:反対の足を前方から頭上へ向けて、勢いよく振り上げる。
2. 体の引き寄せ(回転軸の固定)
肘の屈曲(脇を締める):腕の力で鉄棒を胸やお腹に強く引き寄せる。
回転軸の維持:鉄棒と体(特におへそ)の距離を離さないよう、腕の筋力を維持する。
3. 腰の跳ね上げと回転(重心の移動)
骨盤の挙上:腹直筋や腸腰筋(太腿の付け根)を使い、お尻を鉄棒よりも高い位置へ持ち上げる。
頭の後屈(目線の移動):頭を後ろに倒し、目線をおへそや後方の景色に向けることで、回転をスムーズにする。
4. 回転の仕上げと支持(フィニッシュ)
手首の返し:体が鉄棒を越える瞬間に、手首を前に回して体を支える準備をする。
上体の起こし:お腹を鉄棒に乗せた状態で上体を起こし、腕を伸ばしてツバメの姿勢になる。
この分析に照らし合わせてみれば、息子の現状がなぜうまくいかないのかは明らかだった。
そもそも地面を蹴るチカラが弱く、体が硬いため足が上に上がっていない。
さらに腕の力が弱く、体重の重さも加わって、肝心の鉄棒を腹に引き寄せることができていないのだ。
「鉄棒くるりんベルト」は、あくまで恐怖心を和らげたり回転を補助したりして、最後の1ピースを埋めてくれる優秀な商品だ。
しかし、逆上がりを成立させるための土台となる「基礎」が一切できていない息子の現状では、いくら便利な道具でもカバーしきれなかった。
公園の冷たい風に吹かれながら、オレと息子は現実は甘くないと思い知らされるのだった。
つづく。
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