息子の高校の学園祭の熱に浮かされる2のつづき。

5月、高2に進級して初めての保護者会があった。

妻はいつも通り体調不良なんで、オレが参加することになった。

高校になれば小学校や中学校の頃よりは保護者会の回数も減るだろうと思っていたが、なんだかんだと呼び出される。

当日は午後半休を取得した。

朝から4時間働き、昼飯を済ませてから高校へと向かった。

14時、保護者会がスタートした。

まず配られたのは、各種委員会のメンバーが記載されたレジュメプリントだ。

そのプリントに息子の名前を探した。

学祭委員の各担当には、多くの生徒の名前がずらりと並んでいる。

しかし、いくら探しても息子の名前は見当たらない。

それどころか、美化委員、体育祭委員など、他の係の欄を見ても、息子の名前はなかった。

あいつ本当にこのクラスに在籍しているんだろうか?

不安が押し寄せてくる。

やがて、担任のツカハラ先生からクラスの現状について説明があった。

「全体的に男子よりも女子の方が積極的で活発です」とのこと。

続いては、保護者会の恒例行事「PTA役員決め」だ。

クラスから2名を選出せねばならない。

ありがたいことに意識の高いお母さんがすっと手を挙げてくれ、あっさりと決定した。

心の底から感謝したい。

クラス替え直後とあって、周囲の保護者たちはまだお互いの顔もよく分からない状態だ。

「子ども紹介を兼ねた自己紹介タイム」が始まる。

オレも事前に内容を考えてきた。

小学校のころの保護者会なら、親たちもまだ慣れておらず、皆どこか緊張気味に「うちの子は、ええと、お友達と仲良く遊んでおります……」なんて当たり障りのないことを言って短く終わらせていた。

しかし、高校の保護者会、ここに集まる親たちはもう場数を踏んでいる。

慣れたもので、自分の子どもについて、長々と堂々と、かつ詳細に語っていた。

8番目に順番が回ってきた。

オレは立ち上がった。

「うちの息子は、水泳部に所属しております」

「夏場は部活の練習がハードで、一時的に体重が83kgまで落ちました」

「しかし、秋冬になって陸上トレーニングや筋トレの時期になるとサボりがちになり、あっという間に87kgまでリバウンドして戻りました」

「自室の机のまわりには、大量のポテトチップスの空き袋とコーラのペットボトルが散乱しています」

「特技や趣味は特にありません。ただ、食べることにしか興味がありません」

まあ、周りの親たちにしてみれば、他人の家の息子の生態なぞ、興味がないだろう。

だが、そんな自虐的な子ども紹介をしながらも、オレは別の疑問で頭がいっぱいだった。

結局のところ、あいつは一体どの委員会になったんだろう?

つづく。