生命保険大手が有価証券関連の損失により準備金を取り崩している模様。
損害保険大手6社も同様です。(2/15の投稿)


<有価証券損>生保8社2.1兆円に…4~12月期

生命保険大手8社損害保険大手6社の08年4~12月期決算
(生保は業績報告)が13日出そろった。
金融危機による株価急落が響き、生保8社の株式などの有価証券関連損失は、
合計で2兆1459億円と08年9月末の21倍に膨らんだ。
また、最終(当期)損益の合算も、111億円の赤字だった。

損保6社も有価証券関連損失が総額4575億円と
08年9月末の3.9倍に上った。
この結果、最終損益の合算は前年同期比86%減の358億円の黒字に急減した。

生保8社は有価証券含み益の合計が3.4兆円と
08年9月末から2.5兆円減少した。
昨年9月のリーマン・ショック以降の急速な株安が
保険会社の経営体力を奪っていることが鮮明になった。

最終赤字に陥ったのは朝日生命保険(赤字1324億円)、
三井生命保険(1060億円)、
T&Dホールディングス(475億円)の3社。

一方、損保6社は、最大手の東京海上ホールディングスの最終利益が
前年同期比96%減の46億円へと大幅に減少したほか、
経常損益は134億円の赤字(前年同期は1871億円の黒字)となった。

2月13日配信 毎日新聞



国内生保大手4社、準備金1兆円超取り崩し 損失穴埋め
 
日本生命保険など国内生保大手4社は08年4~12月期業績開示で、
株価下落などに備えて積み立てた準備金を大幅に取り崩す方針を固めた

取り崩し額は4社で計1兆円を上回るとみられる。
急速な株安や円高に伴う有価証券評価損などの損失を穴埋めして黒字を確保し、
契約者配当などを続けるためだ。

取り崩し額は日本生命が5千億円程度、第一生命保険がそれに近い規模、
明治安田生命保険と住友生命保険がそれぞれ2千億円台となる模様だ。
4社では金融危機関連の損失が計1兆円を超すとみられる。
相互会社形態の4社は通期の純損益が赤字になると、
契約者配当などが原則できなくなる。
配当を続けるには、年間では黒字を確保する必要が生じる。

現在の準備金制度は生保の自己資本の充実のため、
バブル崩壊後の96年に整備され、拡充されてきた。
08年9月現在で4社で計約4兆7千億円の準備金があり、
資本の厚みは増している。
ただ、取り崩せばその分、財務体力が奪われることになる。

一方、準備金の蓄えなどが相対的に少ない三井生命保険朝日生命保険
08年4~12月期に1千億円規模の赤字となる見通しだ。
三井は変額年金保険の最低保証コストなどが、
朝日は保有株の下落などの損失処理費用などが経営を圧迫しており、
通期赤字が避けられない模様だ。(鯨岡仁)

2月11日 朝日新聞