今後の見通しは、よくないというのが消費者の見方です。
今の物価の上昇やサブプライム問題などの影響による経済不安、
それらにより過去最悪の流れになりそうですね。
(8/1の投稿)



●過去最悪の水準に迫る消費者心理
― 景気見通しは過去最悪となり9割が物価上昇を見込む ―

消費者による今後1年間の見通し判断を調査したCSI(6月調査)によれば、
先行きの景況感の大幅な悪化と先の見えない物価上昇懸念を背景に、
消費者心理は3回(調査)連続の悪化、過去最悪の水準に迫る結果となった。

生活不安度指数は、今回6月調査では157となり、
前回4月(151)と比べ6ポイント上昇、3回(調査)連続の悪化で、
過去最悪である03年4月(159)の水準に接近する結果となった。
 
同指数は、07年4月(134)の改善(低下)を最後に悪化(上昇)に転じ、
07年10月から08年2月は140~141とほぼ横ばいで推移していたが、
前回4月は03年12月(150)以来4年4ヶ月ぶりの151まで悪化、
さらに今回一段の悪化を示している。

各種見通しを概観すると、消費者の先行きの景況感は、
6月は、[良くなる]と答えた人の割合は1.7%まで減少、
[悪くなる]と答えた人の割合は、
4月(67.8%)から増加して70.9%となった。

その結果、
この回答割合を指数化した「国内景気見通し指数」は-14となり、
前回4月(-1)から13ポイント低下、
これまで最も悪い水準であった97年12月(-10)を下回り、
本調査史上最も悪い水準となった。
 
また、物価の先行き見通しも、
[上昇]を見通す回答割合が90.6%と9割を上回り、
80年12月に92.3%を記録して以来、27年6ヶ月ぶりの高い水準となった。
その一方、[下がる]見通しは1.4%で、
07年10月(2.7%)以降徐々に減少が続いている。
 
次に、6月の雇用の先行き見通しでは、

[不安]と答えた人は66.5%、他方、[不安なし]と答えた人は30.9%で、
前回4月と比べて、[不安]、[不安なし]と答えた人それぞれわずかながら
増加しているものの、消費者の雇用に対する見通しはほぼ横ばいの状態といえる。
 
さらに、収入の先行き見通しをみると、[増える]と答えた人は11.5%、
[変わらない]と答えた人は41.5%、[減る]と回答した人は37.9%であった。

前回と比べると、[増える]はわずかに減少し、
[減る]は微増となっているものの、[減る]とした人は、
07年4月を底にじわじわと増加傾向にあり、
先行きの収入見通しへの懸念は徐々に強まりつつあるようだ。
 
これらを背景に、6月の生活不安度指数は157となり、
3回(調査)続けて後退し、過去最悪の水準に接近する結果となっている。

消費者心理が大きく後退、過去最悪の水準に迫っている背景には、
先行きの景況感の大幅な悪化と
先の見えない物価上昇懸念にあることは明らかである。
 
長引く原油・原材料高は歯止めがかからず、
コスト上昇で企業業績を圧迫、経営環境は急激に悪化している。

他方、価格転嫁により、食料品を始め、ガソリンや身近な商品の
値上げが相次いでおり、消費者は物価上昇を実感、
先行きの物価上昇の広がりに対する不安は一段と高まっている。
 
外部環境の大幅な後退が続くなかで、消費者の雇用や収入環境にも
負の連鎖が及ぶようであれば、消費者心理は一段と後退して、
過去最悪の水準を突破することも懸念される。

なお、6月調査の不動産や自動車、耐久財の今後1年間の購買態度は、
前回4月調査と比べていずれも大きく悪化(低下)した。
特に自動車(4月82→6月47)は史上最悪の水準となったほか、
不動産(同82→67)は17年4ヶ月ぶりの水準まで悪化、
また耐久財(同93→82)も史上最悪の水準に迫る悪化となった。

2008年7月31日 14:00 発表
日本リサーチ総合研究所