改正保険業法が成立したっていう記事を紹介しますね。
これからどうなる保険業界。。
(6/10の投稿) 


●改正保険業法が成立

改正保険業法が6月6日、参議院本会議で可決、成立した。

日本の金融・資本市場の競争力強化を目指し、
保険会社や銀行の業務範囲を拡大。

保険会社本体がこれまでのように
子会社としての投資顧問会社を介さずに
投資助言業を行うことができることや排出量取引やその媒介に
本体として参加できるようになる。

また、改正金融商品取引法に伴う保険業法が改正され、
利益相反管理体制の構築や保険・銀行・証券間の
ファイアーウォール規制が見直された。

改正法は6月13日にも公布され、
利益相反管理体制とファイアーウォール規制は1年以内、
そのほかは半年内に施行される予定。
 
保険会社の業務範囲の見直しは保険業法第99条3項に投資助言、
同4項に排出量取引の条文が新設された。

これまで大手保険会社は子会社として投資顧問会社を持たなければ
投資助言業ができなかったが、
改正法は「次に掲げる業務を行うことができる」として
「金融商品取引法第28条第6項に規定する投資助言業務」、
「算定割当量(温室効果ガスの)を取得し、
もしくは譲渡することを内容とする契約の締結またはその媒介、
取次ぎもしくは代理を行う業務であって、
内閣府令で定めるもの」と盛り込まれた。

また、同第106条では企業再生(地域再生)を一層推進する観点から
保険会社グループや銀行など議決権保有制限の例外措置を拡充した。

現行法は「新たな事業分野を開拓する会社として内閣府令で定める会社」
とされているが、改正法はこれに
「経営の向上に相当程度寄与すると認められる新たな事業活動を行う会社」
が付け加えられた。
 
保険会社は子会社などを含めて株式の議決権が
10%を超えてはいけないことが定められているが、
保険ベンチャーキャピタル会社など新たな分野を開拓する会社は、
子会社とみなさず議決権を計算できることになった。
 
このほか、多様な資産運用・調達機会の提供、多様で質の高いサービスの提供、
公正・透明で信頼性のある市場の構築―を柱に改正された金融商品取引法に
関連して保険業法が改正された。

このうち“質の高いサービスの部分”として証券・銀行・保険会社の間の
兼職規制を撤廃するなどファイアーウォール規制について保険業法が改正された。
 
保険業法第8条では取締役会の兼職について制限され、
「保険会社の取締役、執行役、会計参与またはその職務を行う社員と監査役は
特定関係者(金融機関または金融商品取引業者の)取締役、執行役、会計参与
もしくはその職務を行う社員や監査役、使用人などを兼ねてはならない」
となっていたが、改正法ではこの条文が撤廃され、
「保険会社の常務に従事する取締役は内閣総理大臣の認可を受けた場合を除き、
ほかの会社の常務に従事してはならない」のみにとどまった。
 
また、第100条2項の2、第193条2項、第271条21項の2号で
保険会社、外国保険会社、保険持株会社に対してそれぞれ顧客の利益を
保護するための体制整備として利益相反の条文が新設された。

改正金商法第36条に関連するもので
保険会社、外国保険会社、保険持ち株会社に対し
「その親金融機関もしくは子金融機関などが行う取引に伴い、
当該保険会社などまたはその子金融機関などが行う業務
(保険業そのほかの内閣府令で定める業務)にかかる
顧客の利益が不当に害されることのないよう、
内閣府令に定めるところにより当該業務に関する情報を適正に管理し、
かつ当該業務の実施状況を適切に監視するための体制の整備
そのほか必要な措置を講じなければならない」との条文が盛り込まれた。


2008年6月9日 保険毎日新聞