敷居は高いままに”。 | ルチアーナの音楽時評・アラカルト。

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40年以上に及ぶ音楽家としての筆者の活動と
その経験から得た感動や自らの価値観に基づき
広く芸術、エンターテイメント等に独自の論評を
加えて参ります。現在小説 愛のセレナーデと、
クロス小説 ミューズの声を随時掲載中です。
こちらもご覧頂ければ幸いです。

ブルックナーのシンホニー、塾考を重ねて創り上げられた 珠玉の作品群。私は特に後期 7番&8番が好きでたまらない。演奏時間、1時間越えは当たり前 聴き手は相当に身構えた方が良い。しかし 私はこの長時間ブルックナーの音楽に【がんじがらめ】になるのが たまらなく好きである。高い精神性と彼自身が抱く信仰・思想・あらゆる芸術的思考が壮大でありながら端的に凝縮され迫り来る。神々しいスケール感に満ち溢れた 一大絵巻を眼前で示され それに我々は目を輝かせて魅入ってしまう。虜になってしまうのだ。長丁場 覚悟の上で聴く事を強いられると 思うむきもあるが私は 今迄一度もブルックナーを長いと感じた事がない。この音楽の魅力にのめり込んだら演奏時間が連続2時間に迫ろうとも全く【苦】になどならない。P・ヤルヴィの指揮で聴く 7番シンホニー。爽快でスマート尚且つ雄大無比。新時代の解釈か!
実に見事な快演である。
(ルチアーナ筆。)
★確かにブルックナーはクラシック初心者の方には お堅いイメージ、敷居の高さもあるだろう。しかし クラシックとは 本来そう言うもの。自ら芸術に寄り添う姿勢を作る努力をして頂きたい。私は俗に言う クラシックの大衆化【皆さん クラシックをもっと 気楽に聴いて下さい!】…などと言う運動とか努力が大嫌いである。
クラシックは依然として【敷居は高いまま】それで良い。芸術の品位を落としてまで大衆化を計る必要など全くない。それが私の持論である。