山崎育三郎の事に付いて論評したが、いやはやその反響には驚いた。私の様な無名の音楽家のブログに今回のコメントを契機に1日に2000余にのぼるアクセスがあろうとは!。育くん人気まさに【絶大】なのだなと感じた次第だ。しかしまぁ~私はここで彼の事を褒めちぎっている訳では更々なく寧ろ彼のネガティヴな部分を記しているのであり彼の熱烈なファンに取っては甚だ腹立たしい限りなのではないかとも思っている。だが【事実は小説よりも奇なり】外面的に何を如何繕ったところで実際に起こした行動によりどれ程のマイナス要因に自らも又、周囲をもおとしめたかはそこに多かれ少なかれ関わった者にしか分からないものだし評価も出来得ない。山崎育三郎と言う青年は稀に見る才能を有している。幼い頃より私は声の美しさと言う点のみで競えば指導者たる私よりも寧ろ遥かに上を行く存在だと考えていた。そこへ私は出来る限りの歌唱技術を伝授する事に邁進した。最高成績で音高へ合格したのもそれを彼が受け入れ完全に消化し技術的確信を得たからが故であった。誰にでも叶う事のない音大の演奏家コースへすんなりと進学し将来を嘱望されるテノールとして日々勉学に取り組んだのも彼の芸術に対する誠実さの表れでだったのであろう。…が、その後彼は変貌する。有り余る才能を武器にミュージカルの世界へ帰って行く。そこで彼は事、歌に関しては抜群の力を発揮する。余裕である。精密機械の様に楽譜を完璧に読み切り作曲者の表現意図を理解し同時にその時代背景も熟知してあらゆる意味で芸術的制約がかかるその中で尚、歌い手として個性を発揮しなくてはならない誠に高い精度を求められるクラシックに比べれば現状の日本の商業演劇界におけるミュージカルでの歌唱精度は彼に取って誠に容易いものであったに違いない。そこで彼の中で完全にタガが緩んだ!。音程は不安定となりフレージングを楽譜から詳細に読み取る事もしなくなり長いブレッシングも取れなくなっている。基礎である発声練習をしていない。要するに勉強していないのだから、そんなふうになってしまうのは当たり前の話だ。しかしそれでも彼は【若手のホープ、プリンス。抜群の歌唱力】と、もてはやされている。周囲にも本質を見ぬく人間がいない証拠である。才能はそう遠くない内に枯渇し本来もっと優れた歌い手になれる機を完全に逸してしまった。今の山崎育三郎に言える評価は40年に渡ってクラシックを歌い続けて来た私としてはこれだけだ。だがそれで彼は満足なのだろう。大勢のファンは彼の涼しげな容姿と甘い歌声にメロメロ!
黄色い歓声に気分は最高…っと言ったところだろう。まぁ~それで良いのではないか!彼はそれで充分な報酬も得ている筈だし誰も損はしていない。唯声だけは段々失われて行く。想像だが彼は酒もかなりたしなむのではないか…っと思う。【酒枯れ】かと思う瞬間を彼の歌から感じた事もある。因みに私は酒もタバコも一切やらない。現役時代は当然だが現役を退いた今も同じである。指導者として声の精度はしっかりキープしなければならないからだ。
タバコは論外!【酒は百薬の長】と言い僅かなら身体に良いと言う!。しかし私に言わせればこじ付けだ。歌い手は酒もやらない方が良い!。声寿命は著しく短くなる。いずれにしても自らの才能に酔って限界を悟る事に想いを巡らせる視野を持ち合わせない者は哀れである。【山崎育三郎!さてこれから如何動く】…のであろう!最早心配する気はないが【横目でシラっと】見てはいようと思う。考えて見れば私も随分と意地悪ジジイになったものだ…!(笑)。
(ルチアーナ筆。)