(ルチアーナ筆。)
マッキントッシュXRT22。私が四半世紀に渡って愛用して来た最高のスピーカーシステムである。駆動するパワーアンプは同じくマッキントッシュMC500こちらも相当の老練だ。プリアンプこちらはアキュフェーズC2800。当社独自の画期的技術である無抵抗ボリュームを始めて搭載したモデルであり、これも又かなり長く私のコンポーネントの中核を担ってくれている。そしてまさにこの組み合わせから奏でられる音楽再生の世界観は手前味噌で恐縮ながら本当に一言では言い尽くせぬ程の情感と美質に富んだリアリティー豊かなものである。音の出所であるXRT22に及ぼす個々の再生機器のクォリティーの水準を高度に保つ事によりこのスピーカーが放つ真のステレオフォニックサウンドはあたかも眼前に演奏者が実在しリアルタイムで演奏しているのかと錯覚する程の真実味を帯びオーソドックスな2chステレオ再生の潜在的充実度への認識と止まらぬ可能性の深さを悟らせてくれるのだ。片チャンネル各々23個の小型ソフトドーム型ツィーターを配した長方形ドラムにセパレートされたワンスコーカとトゥーウーハー形成のエンクロージャーは誠に清楚で美しい佇まいでまさにハイエンドオーディオの王道の姿と言えよう事は間違いない。近年日進月歩で進み行く最先端技術は当然オーディオ再生にも大きな変動と前進をもたらしている。マッキントッシュでも最先端の技術を駆使してXRTシリーズにおいても遥かにその再生能力、即ち物理特性に優れたXRTの新型機を登場させている。勿論価格的にはおいそれと手に入れられる物ではないが、それでも私などは大いにその潜在能力に魅力を抱く事この上ない。しかし同時に私は現状まだまだ今のシステム、XRT22を核としたコンポーネントに大きく手を加える事は考えていない。バッケージソフトの売れ行き減少や情報処理技術の飛躍的進歩により昨今は音楽をPCで取り込み手軽に聴こうとする傾向が顕著であるが私はどうもそうした傾向に抵抗感を回避出来ない。サウンドクォリティーの包括的検証を行えば確かに今の私のシステムは最新のレコーディングに対して100%万全とは言えない部分もあるやに思う。だがオーディオは再生と言うジャンルの演奏行為そのものなのであって各々の機器のユーザーが心血を注ぎ作り上げた音の世界観そのものが言わば勝負なのである。物理特性の数値をあげ連ねても意味はない。我々が如何に感性を豊かに抱き自身に取っての最高の音とは音楽とは何かをひとえに追求する。それがハイエンドオーディオと言う高度な趣味性の構築なのである。間近に迫ったインターナショナルオーディオショウでまた今年も各社如何なる音楽再生へのアプローチを繰り広げるのか楽しみであるが…っと同時に繰り返すが私のシステムは当分現状揺るぎない事を最後にもう一度申し上げておく。我【華麗なるマッキン・サウンド】歴史を刻んで尚、健在である。