奈緒『薫先輩ったら、もう信じられな~い!勝手にさ~何か思い込んじゃってさ~、私をおいてさっさと帰っちゃうんだもん。私、学食に一人取り残されちゃって閉店間際まで先輩に付き合って、挙句の果てに【貴女まだここにいて良いから!】だって、周りにもう誰もいないし!明日、私レッスンなんだけど!こんな事ならランチ断って早く帰って勉強すれば良かった!!。もう馬鹿馬鹿!それにしても分かんないな?何んで先輩、私が受験生の学校案内、頼まれたって聞いただけで慌てたみたいにすぐ帰っちゃったんだろう。あっ!きっと又、まゆ美先生とサヤ先輩が絡んだ話だからかな~?そうだよきっと!あぁ~そう!今私、下宿に戻って来ていてピアノに向かって明日レッスンでみて頂く歌曲の練習をしている所だったんです。もっとも今日は薫先輩に付き合っちゃったお陰で帰りが遅くなって、時間も遅いしそうは沢山練習出来ていません。う~ん!でももう時間的に音を出せる範囲じゃないので…しょうがない!もう止めます。でも明日のレッスンは精一杯頑張ろう!あ~あ!今日は何んだか、イヤに疲れちゃった。もう寝ようかな!あっ、そうだお風呂…。あぁ~まぁ~良いか!明日、朝早めに起きてシャワー浴びれば!そうだそうしよう~っと!じゃ~明日も又、一日良い日であります様に!お休みなさい。…げ~っ!何!今寝ようと思った途端に何んで鳴るかな携帯!げ~っ!×2.3.4.5…!。かっ薫先輩から!嘘でしょ。勘弁してよ~(涙)。』奈緒「ハイ…もしもし。」薫「あっ!もしもし、奈緒!私だけど…!」奈緒「ハイ、何んですか?」薫「あら、何んだか、イヤに元気無いわね急に!如何かした?」『嘘っそ~う!!先輩のせいでもう、くたくたなのに…!』薫「疲れてるみたいね。今夜は早く寝たほうが良いわよ!」『ガ~ン!!!だから今寝ようとしてたとこなのに…』奈緒「私の事は良いですから、早く用件うかがえますか?」薫「あっ!そうだった。あのさ、今日、奈緒がさ言っていた例の、受験生の男の子の事なんだけどね。まゆ美先生とサヤ先輩が施設で見つけたって言う例の…。来週末に貴女が学校案内をするんでしょう。星野先生から頼まれたって言ってたじゃない!」奈緒「ハイ、そうですけど。」薫「でね~。あれから私!すぐさま帰って手を尽くせるだけ尽くしてね。色々調べてみたの、そうしたらさ!その子の名前とか素性なんかも結構分かっちゃったのよ…!ねぇ~凄くない?」奈緒「早!やっぱり私の思った通りですよね。先輩が急に帰っちゃうからその辺の事、調べてるんじゃないかな~って考えてはいたんですけど!。」薫「あら、そうなの。感が良いんだ奈緒って!」『エッ!今更!』奈緒「それで名前ぐらいは教えて頂けるんですか?」薫「勿論それくらいは教えてあげるわよ。あのね、寺脇拓海って言うんですって!その子!」奈緒「へぇ~そうなんだ。だけど先輩!それ、どこで如何調べたんですか?」薫「イヤだ~、それはトップシークレットよ!。」『出た~トップシークレット!』どっと疲れが増す思いです私!。薫「詳しい事は明日、星野先生にお聞きなさいね!私は明日レッスンないし、午後ミューズ・グランドで又会いましょう。バスティアンとバスティエンヌ楽しみよね!じぁ~明日ね。バイバイお休み…!」奈緒『あぁ~、もうイヤこんな生活!』
(続く。)ルチアーナ作