ベートーヴェンがその生涯
において書き残した5曲の
ピアノコンチェルト。全てが
名作であり、作曲家であると
同時に当時ピアノの名手として
ならしたベートーヴェン自身が
その演奏技法を自ら披露する為に
提示したこれらは全てその
実践的楽曲であった。
耳の病を得て後、このジャンルに
作品がないのは、その実践が
困難である事を悟った証に
他ならない。
私はその中でも取り分け
この第4コンチェルトが好きだ。
叙情性に富み、豊かな楽想に
彩られ優雅さと力感を併せ持つ
まさに円熟期の至宝である。
続く第5コンチェルト
【エンペラー】に
勝るとも劣らない、
この美しく高貴な
ピアノコンチェルトを
諸兄にも是非ご愛聴
頂きたい。