ピアノ協奏曲NO4” ベートーヴェン。 | ルチアーナの音楽時評・アラカルト。

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40年以上に及ぶ音楽家としての筆者の活動と
その経験から得た感動や自らの価値観に基づき
広く芸術、エンターテイメント等に独自の論評を
加えて参ります。現在小説 愛のセレナーデと、
クロス小説 ミューズの声を随時掲載中です。
こちらもご覧頂ければ幸いです。

ベートーヴェンがその生涯
において書き残した5曲の
ピアノコンチェルト。全てが
名作であり、作曲家であると
同時に当時ピアノの名手として
ならしたベートーヴェン自身が
その演奏技法を自ら披露する為に
提示したこれらは全てその
実践的楽曲であった。
耳の病を得て後、このジャンルに
作品がないのは、その実践が
困難である事を悟った証に
他ならない。
私はその中でも取り分け
この第4コンチェルトが好きだ。
叙情性に富み、豊かな楽想に
彩られ優雅さと力感を併せ持つ
まさに円熟期の至宝である。
続く第5コンチェルト
【エンペラー】に
勝るとも劣らない、
この美しく高貴な
ピアノコンチェルトを
諸兄にも是非ご愛聴
頂きたい。