【ブラームスは泣ける…!。】
特にその生涯に3曲書き残した
ヴァイオリン・ソナタは
深き芸術的洞察力を持って
推敲に推敲を重ね、その芯を世に
示した孤高の創作であり、
充実した内容、完成度の高さ、
傑出した芸術作品とはまさに
この3曲の事を言う言葉なのでは
と思う程だ。古今における
このジャンルのいずれも最高峰に
位置するこれらの作品を常に
私は心からの敬意を持って
鑑賞し続けている。特に私は
1879年に完成をみた第一番
俗に【雨の歌】と呼ばれる作品に
心奪われる。
かの名作ヴァイオリン協奏曲と
ほぼ同時期に書き上げられたこの
作品は、やはりその優雅さ、
しなやかさ、爽やかさ、そうした
面持ちを全曲に網羅し、実に
ナチュラルで流麗な
音楽的アプローチを
内在するロマン派特有の美質に
富んだ最上質な作品と言えるのだ。
これほど人の心に穏やかな安らぎを
もたらせてくれる音楽が他に
どれほどあろうか?
そう問うてみたくなる程
この作品には清潔感みなぎる
透明で暖かい心の声が宿っている。
【雨の歌】と言う表題は
ブラームスが作曲した歌曲
グロートの詩による
「雨の歌」op59の3。
これのメロディーが終曲の主題に
転用されているからである。
続く第二番、第三番も全て彼の
創作活動における後期、晩年期に
いずれも作曲されたもので、
高い精神性と悲喜交々の人生体験を
経て作曲家ブラームスが到達した
芸術的思考のまさに円熟、到達点を
指し示す極上の成果である。
ブラームス作曲
ヴァイオリン・ソナタ。
第一番G-dur.op78【雨の歌】。
第二番A-dur.op100。
第三番D-moll.op108。
いずれも音楽史上、稀に見る傑作。
どうか、この心に染いる
静観な佇まいと淡く限りなく美しい
ブラームスの音楽の世界を
多くの人々が共有する事を
切に願いたい。
クラシック音楽の確たる価値は
これらの作品において、しかと認識
される然るべきだ。
もう一度言おう。
ブラームスの音楽は
【心から泣ける】…!。
(ルチアーナ筆。)
☆明日から暫くブログの筆を
置く事にしたい。GWを期に
僅かだが休養と自らの勉強に
専念してみたい。
一週間程のご猶予を…。
★私のリサイタルに関する情報は
H26.4/7付けのブログ記事にて
ご確認下さいませ。