カール・ウォルフの代表作。
壮大なスケールと華々しい音楽的
色彩感に包まれた世俗的カンタータ
「カルミナ・ブラーナ」
4/13.Eテレ、クラシック音楽館は
この超大作のオンエアだった。
N響はかつてもこの作品の演奏に
おいて名演を残しているが
今回も大変、質の高い豪華な重厚感
に満ちた名演と呼ぶに相応しい
公演を繰り広げた様に思える。
かつての名演、それは
昨年他界したW・サヴァリッシュが
まだ、矍鑠たる絶頂期の
マエストロとしてタクトを振った
四半世紀も前のものなのだが
この時は確かドイツの公共放送との
提携等、諸々の国際通信分野での
相互協力の構築を祝い
行われた祝典行事の一環として
行われたコンサートであった様に
記憶している。
ソリストは
ソプラノがルチア・ポップ
バリトンがヘルマン・プライ
共に今は亡き世界的名歌手だ。
テノールが唯一の日本人
小林一男。合唱は東京芸術大学が
受け持っていた様にこれも
記憶しているところだ。
今回の演奏はファビオ・ルイージの
指揮の軽妙さとの融合が
誠に明快に推移しこの近代音楽の
特異な傑作を益々、奇妙にして
何んとも言えぬ魅力へと
誘った。前半に演奏された
「カトゥリ・カルミナ」などは
良くも悪くも特異この上ない作品
だが、この日のコンサートは
カール・ウォルフのオンパレード
であった事も含め、そう滅多に
遭遇する事のない世界観へ
聴くもの全てを引き込む様な
ひと時を呈してした。
ソリストは今回、世界に冠たる
名歌手を揃えた訳ではなかったが
皆、上々の出来であった事も
申し添えておきたい。
「カルミナ・ブラーナ」は魔力を
放つ曲だと、私は常々思っている。
一度この魔力に取り憑かれると
又、時を経る事なく繰り返し
聴きたくなるのだ。
実に不可思議な作品だ。
諸兄も騙されたと思って…っと
言うと、さすがに聞こえが
悪いが、是非一度腰を据えて
ご鑑賞願いたい。
(ルチアーナ筆。)
★私のリサイタルに関する情報は
H26.4/7付けブログの記事にて
ご確認下さいませ。