本日3/30、東京青山劇場(円形)
において
東宝ミュージカル
「サ・ビ・タ(雨が運んだ愛”)」
を見た。二年前に続き二度目の
鑑賞だ。この韓国籍ミュージカル
は日本初演から比較的多くの
再演を繰り返し中々、評判の作品
である様だ。勿論日本語訳での
上演である。 そして何んと
言っても私の教え子が出演して
いる為、勢い鑑賞頻度も
おのずと増すと言う処だ。
ストーリーは荒唐無稽な、
まあちょっと小洒落た喜劇タッチの
兄弟愛の情感話…っと言った処だが
再演を繰り返して来ただけに
スピーディーなストーリー展開と
オーディエンスを巻き込んでの
丁々発止、息をもつかせぬ
バランスの妙が甚だ小気味良く
楽しめるステージである。
円形劇場の特質を上手く用いた
全方位的表現も巧みで
主要キャストが僅か3人である事
が、かえってストーリーの
明確化にも大きく寄与している
様に思える。歌唱力は
日本のミュージカル界全体の
問題でもあるが、まだまだ修練が
必要だ。久しぶりに再会を
果たす兄弟の兄、ドンウク役の
駒田一はさすがだ。隅々まで
行き届いた人間描写が実に巧みで
歌唱も力感に富んで聴き映えの
あるものだ。惜しむらくは
言語の明瞭さが、台詞のそれに
比べて歌では不安定になる。
それだけは実にもったいない。
弟、ドンヒョン役の佐々木喜英は
若くはつらいとした役作りにおいて
まさに、そのまま本人、
地で行く感は否めない。
彼が何故ドンヒョンを
演じるのか、その理由が役の
描写にはっきりと投影している
とはどうしても言い難いのだ。
歌も極めて不安定だ。
派手なコスチュームの勘違い娘
ユ・ミリ役の戸松遥は声優としても
今や知る人ぞ知る存在だが、
このステージでは、その魅力、
全開だ。とにかくその愛らしさは
ファン成らずともメロメロだろう事
請け合いだ。あの可愛いさは
反則だ。ドタバタ劇の頂点に立つ
役どころだがコケティッシュで
何んとも爽やか!あそこであんな
演技をされたら、こちらは
だらしなくも文句の一つも
言えなくなる。歌などとても
聴くに耐えない低調ぶりなのだが
そんな事はどうでも良いと
つい言いたくなる程、この作品
でのお宝的存在だ。…っとまあ
そんな処で、総じて言えば肩も
こらず変に身構える事も
必要なく、リラックスし通しで
楽しめる毒にも薬にもならない
開けっぴろげな歌芝居と言った
処がこの作品の評価だ。
日がな、笑ってみたり
ちょっぴり感傷的
になってみたりと自分の心を
自由に遊ばせるには
ある意味もってこいの作品が
この韓国製ミュージカル
「サ・ビ・タ(雨が運んだ愛”)」
であり大きな魅力でもあるだろう。
ご興味ある諸兄におかれては
4/6「日」まで只今連日、
上演中である。
どうぞ、こどもの城
【青山円形劇場】へお出ましあれ。
(ルチアーナ筆。)
★ダブルキャスト、もう一つの
ユ・ミリ役、八坂沙織にもご注目!
チャーミングですぞ。
今時チャーミングなんて言わない
ですかね?。表現が、ふた昔前で
申し訳ない!。