こんにちは。3Hメディソリューション株式会社 公式ブログ担当です。

 

今回は、「末梢性T細胞リンパ腫(PTCL)」の新しいお薬を紹介します。

血液がんの一種であるPTCLは、治療が難しいがんの一つとして知られています。特に一度治療した後に再発したり、治療が効きにくくなったりした「再発・難治性」のケースでは、有効な治療選択肢が限られているのが現状でした。こうした状況に新たな希望をもたらす新薬の承認について解説します。

 

PTCLとその課題

PTCLは、免疫を担うT細胞ががん化する疾患の総称です。さまざまなタイプに分類され、それぞれ性質が異なるため、診断や治療が複雑になる傾向があります。標準的な化学療法は存在するものの、治療後の再発率が高く、再発・難治性の患者さんに対する新たな治療法の開発が長年待ち望まれていました。

 

世界初のEZH1/2阻害剤「エザルミア」

この度、「エザルミア(一般名:バレメトスタット)」が、再発または難治性のPTCLに対する治療薬として、日本国内で製造販売承認を取得しました。

この薬剤は「EZH1/2阻害剤」という新しいタイプのお薬です。がん細胞の増殖に関わるEZH1およびEZH2という酵素の働きをピンポイントで阻害し、がんの成長を抑制する効果が期待されます。PTCLを対象としたEZH1/2阻害剤の承認は、これが世界で初めてとなり、治療の進歩における大きな一歩と言えます。

 

今後の展望と期待

臨床試験では、既存の治療で効果が見られなかったPTCL患者さんにおいて、一定の有効性が示されています。これまで治療の選択肢が非常に限られていた患者さんにとって、作用機序の異なる新しい治療薬の登場は、まさに希望の光です。今回の承認により、一人でも多くの患者さんがより良い治療を受けられるようになることが期待されます。

 

 

 

 

 

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