MBA取得のキャリアパスの描き方〜3点:What, How, Return〜 | Kazの海外大学院留学ブログ

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こんばんわ。

ウクライナから日曜日に帰ってきましたが、早速、体調をくずしておりました。来週末には最初の講義ですので、なんとか体調を整えて行くつもりです。

さて、戻ってきて今日の朝刊を見た所、このような記事がありました;

高い関心、受講には迷いも MBA取得、処遇に直結せす

今回の調査では、回答者の8割近くが国内のビジネススクールで講義を受けてみたいと 高い関心を示したが、そのうちの約7割は「機会があれば受けたい」という姿勢にとどまっ た。背景には、経営学修士(MBA)の取得が評価や処遇の改善に直結しない日本独特の 事情があるようだ。

調査でMBA取得に対する勤務先の評価・処遇を聞いたところ、88.2%が「評価・処遇がな い」と回答した。ビジネススクールで学んだ後の将来像も「習得したことを現在の職場で生 かす」が49.4%で最多。経営トップとして意思決定する訓練を積み、起業や転職にも生かす 欧米の卒業生とは対照的といえる。

そうしたなか、国内のビジネススクールは淘汰の時代を迎えている。2003年度の専門職 大学院制度の創設で参入が相次ぐ一方、景気低迷に伴い学生が減り定員割れが珍しくな い。日本大学大学院グローバル・ビジネス研究科が13年度から学生募集を停止するなど撤 退の動きも出てきた。
ビジネススクールの教育には産業界でも賛否両論があるが、欧米の有力企業との連携に はMBA取得などを通じた経営知識の共有が有利。グローバル経済に対応するため、大学 と企業双方の改革が求められる」
(日経新聞7月10日(火)朝刊)

今日の日経には、ビジネススクールの改革に関する、比較的ポジティブなトーンの記事とこのようなMBA卒業生が処遇には直結していない現状を語ったネガティブなトーンの記事が二つ載っておりました。おそらく、このネガティブなトーンの記事を読んだ方は、MBA入学に二の足を踏むことを考えるかもしれません。もしくは、「日本にはMBAを評価する土壌がない」と環境のせいにする人もいるかもしれません。

しかしながら、このようにMBA卒業者の処遇がよくならないのは、そもそも「MBAを取ること事態が目的になっている」もしくは「MBAを取ってしまえば、年収は必ずあがる」というのを前提に入学していることが問題になっています。MBAを取った後、もしくは、修得中に、どのようなキャリアパスを考え、就職活動をするか?ということを考えてやらなければ、高い授業料の無駄になってしまいます。

抽象的な理想論を言っても空論になると嫌ですので、具体例を紹介します。

今回、私がキエフに3日滞在している際に、大学時代の友人に9年振りに会いました。彼の経歴はこうです;

2004年 UCLA経済学部卒業
2004~2006年 米国にてプライベートエクイティ中心のヘッジファンドに在籍
2006~2011年 メリルリンチに転職し、投資銀行部門で働く
2011年 テネシー州のVanderbilt UniversityにてMBAを開始
2012年 夏:ウクライナにて4大会計事務所にてM&Aアドバイザリー業務インターンを取得中
2013年 5月卒業予定

です。彼は、投資銀行部門で働いていた際の給与は、20代にしてはかなりの高給でした。ところが、一日20時間近く働くこともあり、そろそろキャリアの方向を変える時期に来たと思いMBAに入学しました。

MBAに入学した場合、1年前と2年目の間の夏休みにインターンを取るのが普通ですが、そのため、現在4大会計事務所の内の一つで、インターンを2ヶ月だけ取ってります。なぜ、アメリカの学生なのに、わざわざウクライナでインターンを取っているかというと、元々、彼は幼少期をロシアで育ち、ロシア語はネイティブ、その後、カリフォルニア州に来て、卒業後もカリフォルニア州で就職。MBAの大学院はテネシー州です。英語とロシア語を話せる彼は卒業後は、ニューヨークかロンドンで就職したいと考えております。

ニューヨークに関しては、普通のアメリカ人のようにウォールストリートで就職活動をしていくことになると思います。彼の経歴から言って、まあ、普通に就職活動をしていれば、見つからないことはないと思います。一方、ロンドンに関しては、ロシア移民の経済力、経済影響力が年々上昇してきております。これは、第一次プーチン政権の時に、オルガリヒと呼ばれる起業家(=成金)達の一部を、政治への影響力を増してきたことをきらったプーチンが粛正したことにより、ロンドンに拠点を移動したロシア人起業家が多いためと言われています。ユコス等の世界トップの時価総額になった石油会社の社長(=ホドルコフスキー)も逮捕されたほどです。

ロンドンでの、ロシア財力に関わる企業に就職するために、ロシア語圏での経験も積んでみようと思い、ウクライナの首都キエフにてサマーインターンに来ました。この経験や経験でえたコネを元に、ロンドンでの就職活動をしていくことと思います。いくらロシア語ネイティブの彼でも、アメリカでの就業経験しかないようでは、ロンドンへの就職活動をするのに、周りの学生よりも上に出るために、このようなキャリアパスを描き、実践しております。

一方、日経新聞の記事のようなMBA卒業後に、自分の処遇に嘆く人達はどうでしょうか?多くの人は、高額の授業料に貯金を使い、もしくは、借金をして大学院に行ったのに、就職してから、全然、大学院前と変わらなかったという人もいると思います。これはキャリアパスの描き方が間違っていたと思います。

•何のためにMBAに行くのか?(for what?)
•MBAをどのように有効利用してくのか?(how?)
•どうやって元を取るのか?(Return profile:教育とは将来への投資)

を考えることが必要だと思います。MBAはレールではありません。大学院のカリキュラムに黙って従っているだけでは、何も変わらないと思います。それゆえ、上記3点をよく考え、MBA取得中だけではなく、その前後で何をするかを描いてから大学院に進む必要があると思います。

私の所に相談に来る方で、よく「MBAの卒業後の年収ランキング」を異様に気にする人がいます。こういう人の多くは上記の3点を考えていません。そもそも年収ランキングの上の所に行った方が、高額年収が保証されると思っているのでしょうか?私は、例えば、ハーバード大学で図書館にこもり勉強だけしているガリ勉タイプの日本人留学生と、ランクはやや落ちるがUCバークレーで上記の3点を意識し、積極的にインターンに参加している方のほうが、卒業後の処遇は高いと考えます。

今、MBA留学を考えている方は一度この3点を考えてみてください。

東大 Red Gate http://red-gate.jp/