こんばんは、なかしんです。

 

今日は真面目な空力の話。

純正マフラーは空力機能も担っており、サイレンサー下面とバンパー下面で一体的なディフューザー効果を発揮している事は、あまり知られていないように思います。

床下流速UP&圧力低減により得られる効果は、

 Cd低減(空気抵抗低減)=燃費向上、限界最高速UP

 Cl抑制(リフトフォース抑制)=接地感向上、高速スタビリティ向上

  ※リフトフォースがマイナスになった状態が、ダウンフォース。

   市販車では一部スポーツカーを除き、頑張ってもゼロリフトといったところ。

といい事づくめなんですが・・・

 

サイレンサー左右分岐タイプの社外マフラーに交換すると・・・

床下に大きな空間ができ、リヤバンパーへの空気流が乱れ・・・

本来の空力性能を発揮できないのです。

これもあまり知られていないように思います。

 

一般公道では、僅かな燃費悪化レベルで気づきにくいかもしれませんが、

富士スピードウェイとなると最高速や安定性への影響を看過できません。

そこで床下の空間を塞ぎ、本来の空力性能の発揮を目論見ます。

 

作り方をザクッと紹介すると、段ボールでモックアップを作り、

 

t=1.5のアルミ板に転写しカットし、

 

車両下面は前後方向にL字アングルで補強し、

 

車両上面は左右方向に補強し、車に着けて完了。

 

ビフォー

 

アフター

 

効果は1月23日のブログの通り、同じ気温条件で1.3秒のタイム短縮でした。

リヤ接地感が増し、300Rで安心して踏んでいけるようになった効果を体感できます。

 

なかしんはDIYでワンオフしましたが、

①レイアウト検討&構造検討で1日、

②各部位詳細設計とモックアップ作製で1日、

③作製で1日と、丸3日かかりました。

ただ単にカタチにすれば良い訳ではなく、

排気管動的干渉(熱膨張考慮)・強度・剛性・耐久性・締結信頼性・水密・防錆・脱着整備性・材料入手性・原価・加工製造性等々の複合要件を総合的に勘案し最適解を見つける必要があり、作製プロセスよりも設計検討プロセスのほうが難しいパーツです。

(休日なのにガッツリ仕事した気分・・・職業病。。。)

 

どなたか製品化して頂きたいところですが、柿本、HKS、トラストetc・・・でサイレンサー位置が異なるので、各社マフラー共通リヤアンダーディフューザーの製品化は難しいんですよね。

 

ところで、学問としてクルマの空力を学びたい場合、この本がおすすめです。

流体力学の基礎が分かると、クルマの世界が広がります。

 

2023年6月2日 なかしん