ステンレスだって錆びるという話。 | なかしん公式ブログ

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~A型理系男子の取扱説明書~

錆びにくい材料として、日常生活の中で大活躍している材料、ステンレス


こんなものや、



あんなものや、




こんなとこに。

なかしんも、仕事でさまざまなステンレス材を製品(主にマフラー)に使ってます。


(↑これはけっこう昔、なかしんが前の会社で開発した製品。)

世の中にのマフラーは「オールステンレス」を謳い文句にした商品があり、
お客様も、「ステンレス=錆びない」というイメージを抱いているようです。
(ひと昔前のマフラーの多くは、鉄のパイプに塗装してたので錆び易かった!)

でも実際は、ステンレスも錆びる事があるんです。
例えば融雪材(寒冷地で地面に撒かれるやつ)がビッシリ付着すると、
いくらステンレス様といっても錆び錆びになるのはよくある話。

今日は、「ステンレス=錆びない材料」という誤ったイメージが産んだ
エピソードを紹介します。

先日、我が社のお客様相談室からこんな問合せが私のところにありました。
「お客様が、『おたくの製品のマフラーが錆びた!カタログにステンレスって
書いてあったから錆びるのは絶対おかしい!ステンレスに、鉄を混ぜて
使ってるんじゃないか
?』って言ってるんですけど、どうなんですか?」

・・・・・。

機械・材料系のお仕事の方なら、思わず「プッ!」と笑ってしまいますよね。
なにがおかしいか、解りますか?

なにがおかしいかというと、
ステンレスとは鉄(Fe)に一定以上(概ね12%)のクロム(Cr)を混ぜた合金なので、
そもそもステンレスの主成分は「鉄(Fe)」なんですね。
なので、「ステンレスに鉄が混ざっているのではないか?」って質問には
「その通り!ステンレスの成分はほとんど鉄なのさっ!」と答えます。

ちなみに・・・
ステンレス(Stainless)とはステイン(Stain=汚れ)、とレス(Less=無い)の造語で、
鉄に一定以上のクロム(Cr)を含ませると、鉄が酸化するよりも先にクロムが酸化し、
表面全体に酸化クロムの膜ができます。これが「不動態化被膜」を形成し、
錆びにくくなるのです。
但し主成分は前述の通り鉄ですので、絶対に錆びないということは無いのです。

8月25日(給料日)なかしん