フィリピンに留学に来て、異文化に触れ、たくさんのことを思ったり、考えたりして来ましたが、自分がいた日本という国に対して感謝の気持ちを持てるようになったことが、自分にとって大きな収穫の一つだと思います。
まだまだ発展途上にあるフィリピンという国、ある高齢の生徒さんで、高度経済成長前の50年前の日本に似ている、と言っていた人もいました。
僕達日本という国も、フィリピンが現在面しているであろう課題にかつて直面し、先人たちの途方も無い努力と苦労によって一つ一つ乗り越えていったはずです。僕達若い世代が日本でのあらゆる恩恵を享受出来ているのも、全てはそういった過去の積み重ねが無ければあり得ないことであり、そのことを何も知らずに生きている人たちがたくさんいると思います。
しかし、アメリカ、イギリス、カナダ、オーストラリアといった先進国でなく、ここフィリピンという地を英語語学留学として選んだからには、そういった過去のありがたさを感じられるようになることはとても大事なことでしょう。
例えば、ストリートチルドレンの盗難被害が非常に多いですが
、なぜ彼らがそうせざるを得ないのか、を立ち止まって少し考えれば、ほとんどそういうことがなかった日本での生活や、そういう運命をたどる事なしに教育をきちんと受けられまともな生活できている自分の今に感謝の気持ちが芽生えるはずです。
問題なく三食が食べられ、クーラーのついた部屋で生活出来、休みには旅行に行ける、そうした外国人の生活は彼らにとってはあり得ないことです。
もっとつきつめると、僕達日本人が想像だに出来ないような生活を送っている人たちが、この世界にはまだまだたくさんいると思います。
そうした世界の現状を目の当たりにし、恵まれた自分の環境を踏まえた上で、では一体世界に対して自分がどう貢献することが出来るのか….。
これはこれからの時代を生きる若い世代の人たちの課題であると思います。
そしてそうした課題を解決するために何をすればいいのかを考え、行動していくことが、いわゆるグローバル人材なのではないか、と僕は思っています。
『一人の人間としてこの世に生を承けながら、ただただ自分のことだけを考えていき、それで死んでいくなんて、せっかく人間として生まれた甲斐がないのではないだろうか』
これはアウン・サン・スー・チーの言葉ですが、この言葉を体現できるような人間になりたいものです。
英語を身につけ、世界で活躍しようという方々にはきっとこういう志を抱いているひとが多いはず。
もしそうでなければ英語学習、そして留学をきっかけにこのような気持ちを持つことが出来ると、今までとは違った人生の景色が見えてくるはずです。
ぜひ日本では出来ない体験をして、貴重な教訓を得られるような留学にしてほしいと思います。