その日、食べるのもやっとで仕方なく、というわけではありません。メーカーのゴミ箱って、かなりの宝箱なんです。テストで潰した実機、多めに発注して余った部品、設計変更で使用されなくなった部品などが、よく捨てられていました。それらを拾って、分解したり、別のものに加工してみたり。
この行動、大学時代の先生からパクりました。先生は80近い年齢でしたが、若い頃、ゴミ箱から材料を集めて試作品を作り、10億円を越える売上になる製品にしたとのことでした。今も尊敬する人の1人です。
上司に黙って作った製品が大ヒットしたという話は、大企業のサクセスストーリーとしても耳にします。
今はそれが、家にいながらにして
可能な時代になりました。しかもプロに限りません。3Dプリンターやレーザーカッターといったデジタル工具が個人の手に届く価格になり、それらを時間借りできる施設も増えてきたからです。
サプライチェーンの発達により、様々な部品が東急ハンズのようなDIYショップでも手に入れられるようになりました。
また、インターネットでホームページを作れば誰でも個人商店を持てるのは、周知の事実です。
開発して、製造して、販売するというメーカーのすべて行動が個人に開放される世の中になったのです。
『MAKERS』では3Dプリンターやレーザーカッターで画期的な試作品を1つ開発するだけではなく、アメリカの起業家がそれをどのようにメーカーとしてのビジネスに発展させているかという点にまで及んでいます。個々の話題はものづくりの分野に身を置く人間にとっては、夢のような話だと思います。
ものづくりでアイデアを実現するために、以前は退職金を全てかけた勝負をしなけばなりませんでした。でも、今なら冬のボーナスをかけるくらいで挑戦可能です。
ものづくりのノウハウがまだ国内に多く残り、量産時は工場となるアジア諸国が近く、工具や部品などの必要なものが大都市に集中する日本は、アメリカ以上に恵まれた環境といえます。
ものづくりでアイデアを実現するために、以前は退職金を全てかけた勝負をしなけばなりませんでしたが、今なら冬のボーナスをかけるくらいで挑戦可能です。
アイデアがある人、自分にしか作れないものを作りたい人。ものづくりで志を遂げたい人たちは、この本を手にとって走り出すべきです。
MAKERS―21世紀の産業革命が始まる/NHK出版

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