JR奈良駅で待ち合わせ時間に行ってみると、もう二人は来ていた。
もちろん会うのは初めてだが、写真を送ってきてくれていたので、すぐにわかった。
思ったより、二人とも小柄である。そして特に新妻・ローランスは、日本人にも見えるような感じである。
事実、九州でも日本人と間違われ、日本語で何度か話しかけられることがあったらしい。
この彼女が、「屋久島行きたい!!」と言ったのか?しかし全然わがままそうにも見えないし、むしろ気だての良さそうな可愛い子だった。
押しの強さに負けたと言うよりは、この可愛い彼女の願いを聞いてあげたくなったと思うのが自然であった。
彼らは自然派で、Tシャツにスラックスで軽装であったが、彼女は首に真珠のネックレスをしていた。
そこで「日本で買ってもらったの?」と尋ねると、「おばあちゃんのものなんです。」と嬉しそうに答えた。
そう、フランス人は本当にこうして物を大事にし、受け継いでいくのである。
もうこれだけでも、好感度大だ。
まずは食事と、釜めしやに行くことにした。
食事も日本食を何でも食べると言う。九州の民宿で出されたお魚は特においしかったと、写真を見せてくれた。
もちろん、この日の昼食も、煮ものを含めて、完食だった。


「九州では、英語も通じなくて困ったのでは?」と聞くと、「そうなんだ。まず空港についてレンタカーを借りるため、英語で話が出来る人を探すところから大変だった」そうだ。
しかし、それでもちゃんと心が通じ、人々はほんとに親切で温かったと、大層喜んでいる。
不思議と、二人とも初めて会ったような気がしないくらい、一緒にいても気を遣わないで済むとても楽な子たちであった。
アルザスの友人の息子ティエリは、その両親を彷彿させる心優しい子であるが、さすがにその彼の選んだ彼女もまた然りであった。
そういえば、プロヴァンスのB&Bでお別れの日、おばあちゃんが「孫が結婚するのよ」と、早口で私に話しかけてきたっけ!!この二人のことだったのだ!!
さて、お腹もいっぱいになったので、奈良公園を抜けながら、東大寺へ向かうことにした。