アイコン、夏のイメージに変えましたm(*_ _)m
そりゃ目立つな、俺もあなたも。
だけどモテるとは思ってない。
珍しい人と思われているはず。
「しょおさん?」
「学校では随分とモテるようですね」
「それを言うならしょおさんの話題でいっぱいだよ」
「それは困りますね、私の話題など珍しい職種だからかと思っていましたが」
全く、なんで俺の話題ばっかなのか。
困ったな、俺、目立ちたくないのに。
やりたいことが全て裏目に出てしまい結局なんだかんだずーっと目立ってきた。
「それはしょおさんがイケメンさんだから。自覚してないのはどうかと思うけど」
「またそれですか・・・」
別にイケメンなのは男としてはいい評判なんだけどそれで話題になるのは嫌だった。
「ふふっ、いいんだよ、僕だけ見てくれてることは知ってるからね♡」
「まぁそれはそうですけど・・・」
「大好きだよ、しょおくん♡」
そう簡単に大好きとか言うなよ・・・
潰れそうで溺れそうになる。
現実を冷静に見なきゃいけないのに。
結局あれからも振り回されるばかりだ。
ーーー
まだお互いに素肌で抱き合ったことがない。
恋人にはなったが俺は人に触れるのが怖いから恋人であれ怖いものは怖い。
だけど、潤様はそんな怖がった俺をゆっくりと包み込んだ。
優しさでいっぱいなあなたは俺にとっては眩しいけどちょっと甘えたくなるような感じだ。
人に甘えたことがない俺が甘えること。
こんな人生になるとは思ってもなかった。
俺の過去は最悪だ。
それは現在進行形でもある。
その最悪の種類はちょっと違うがせっかく恋人同士になったのに触れ合うことも出来ずキスすら出来ない。
こんなのは恋なんかじゃない、ただの友達みたいでみんなができることを俺が出来なくてキスやその先を望んでいるはずの潤様の期待に応えることができないのが最悪だ。
「しょおくん、そんなに自分を責めないでよ」
「え?」
「しょおくんと恋人になれたことは幸せなんだよ? しょおくんは頑張ってるよ。いつも勇気振り絞ってるじゃん」
「ですが・・・」
キスすらできない俺に手袋はめないと手を繋ぐことや触れることが出来ない俺に付き合う必要なんかないのに。
他の人ならもっと恋人らしいことをできるのに
「大丈夫、だから別れようとか考えないで。しょおくんの過去はとても辛いはず」
「・・・」
「だからね、今の目標は僕から触れる時に触れられるようにね? しょおくんからはまだ怖いと思うし。 拒否らないで欲しいの、ビクッと反応するのはいいけど」
「それは気をつけます」
「ふふっ、ピクってなるの可愛いよ♡」
「っ・・・//」
迷惑でないのはわかったがそんなふうに思われているのはとても恥ずかしい。
「顔真っ赤だよ、しょおくん♡ ほんと可愛いんだから困っちゃうよ」
「可愛いだなんて。 あなたの方がよっぽど可愛いかと」
「それは知ってるよ、けど、無自覚なしょおくんの方が可愛いってこと♡」
「お、大人をからかわないでください」
「ふふふ」
全く、子供にからかわれる大人は気分が悪い。
まるで俺の方が子供みたいじゃん。
「ごめんね♡ しょおくんを揶揄うのが楽しいからね♡」
♡をつければ許されるなんてことはないんだけどな・・・
寧ろ謝る気すらないよな。
けど、惚れた弱みなのかそんな潤様は可愛いしあなたになら怖いけど触れたいと思うから。
「まだ怒ってる?」
「怒っていませんよ」
「良かった」
怒れるはずない。
俺が怒る権利なんてない。
「そう思わせたのなら申し訳ありません」
「いいの。からかい過ぎたのは本当だし。触れてもいい?」
「どうぞ」
そっと触れてくる。
手、潤様の手は相変わらず綺麗だ。
俺の手の甲には傷がある。
「痛い?」
「それは自分でつけたものなので痛くはありませんよ」
「しょおくん、傷つけちゃダメだよ? 綺麗な手なのに。 怖いかもしれないけど」
「っ・・・」
引っ込めたくても引っ込めることが出来なかった。
泣きそうな顔をしてたから。
どうして潤様が泣きそうな顔をするのか。
俺には分からないけどそんな泣きそうな顔にならなくていいのに。
「しょおくんが自分で傷つけるのはそれだけしょおくんは傷ついたし汚れると思ってるからだよね? もっと早く出会えたらって思うよ」
「潤様、自分を責めないでください。 あなたが悔やむことではないので」
「分かってるよ? でも、自分で傷つける前に会えてたら傷はもう少し少なかったのかなって。れにしょおくん、泣けてないでしょ?」
「え?」
そんなこと・・・
泣けるはずもない。
家には両親がいるし母さんにバレたら最悪だから黙ってるしかないし。
「溢れたのは泣けなかったからじゃないかって言ってたから」
「そうですね、優しさに触れました」
「だからもう泣きたい時に泣けばいいんだよ?ここは誰も見てないもん。 それにしょおくんのことを悪くいう人はこの家にいないでしょ?」
それはそうだけど。
なんか違う意味で泣きそうなんだけどな。
「ありがとうございます」
そういえば坊ちゃんなんだから大変なはず。
赤ちゃんの頃から英語を始めていたらしいから今じゃペラペラだし。
勉強に関しては宿題は当たり前だけど。
参考書で1学年上の勉強をしている。
いやいや。俺はそこまでしなかったけどな。
「どういたしまして」
「潤様はご両親から怒られる姿はあまり見かけませんが自由そうに見えますが大変ですよね」
「んー、そうかな? あんまり怒られないけど。早く寝ないと怒られるかな。後は謝る時はきちんと謝らなかった時ぐらい」
「無理してないのなら良かったです」
「ってことはしょおくんは無理してきたってことだよね?家で」
確かにうちの親はとても厳しく。
まさにその結果の代償がここなったと言っては過言じゃない。
成績は常にトップ3をキープしなきゃならない
それより下になると母さんは次下がったら遊ぶ時間無くすと言われた。
父は俺を・・・
だから嫌だった。
あの、汚い手で。
俺を・・・
母さんと行為した後でも普通にやってくる。
「しょおくん?」
「潤様・・・」
潤様が目の前にいるのについ潤様以外のことを思い出していた。
「震えてるよ?」
「なら。抱きしめてください。 怖いけどあなたに抱きしめられていると感じたい」
すると思いっきりギュッと抱きしめられる。
「抱きしめてるのは僕だよ? 大丈夫、お家の人が怖いのかな? 新しいお家で今のお家はここだよ。僕といる場所がしょおくんのお家だよ」
震え出したら咄嗟に潤様を求めた。
俺から行ければいいのに体が動かない。
俺から行けたらいいのに行けない俺はこうされるしか無かった。
「頼ってくれてありがと、しょおくん」
「潤様・・・」
「初めてでしょ? しょおくんから言うのは。 大きな成長だよ」
俺、成長できたの?
小さな成長なら出来たかもしれない。
でも、もっともっとしないと。
この日をきっかけに少しずつ自分から言えるようになったのは成長のきっかけだったかもと思えた。