あれから、お迎えは最後になるようにした。
雅紀達が気に入っているならもう少し遊ばせたいし、そんな様子を見てられるのは嬉しいからね。

「あ、お迎えですね、今日も元気いっぱいでしたよ?」

「それなら良かったです」

「あ、そう言えば、見させてもらいました! とっても上手に描けてて僕のことまで描いてくれて嬉しいです!」

「そうだね、じゅんちゃん先生は雅紀もカズも大切な人なのだと思ってますよ」

じゃなきゃ絵には出てこないと思う。

「ふふっ、そう思ってくれるなら嬉しいです」

「ふふっ、子供たちと遊んでるのは楽しそうですもんね」

無邪気な人だな、子供ぽいよ。でも、だからこそ人気なんだろうな・・・先生達にも。

「ふふっ、楽しいですよ? 僕はずっとこの仕事を出来るように頑張ってきたので今は幸せです」

そっか・・・。 確かにめっちゃ幸せそうだよな。

「あ、和也くんから貰いましたよ?」

「何を?」

「櫻井さんもお絵描きしてたんですね?」

「まさか・・・」

マジかよ・・・俺の絵は下手くそだからな、持ってたのかよ。

「ふふっ、可愛らしいですね?」

「え?」

「純粋に描いたって感じがしましたよ?」

「下手くそなのに・・・?」

そう言えば

「大切なのは気持ちじゃないですか?」

「え?」

「苦手なものは苦手でいい思うし、その代わり気持ちがこもってるならそれは見方が変わります、なので”下手くそ”なんて思いませんよ?」

なんか、そう言われて嬉しいのと同時に泣きたくなるような気持ちになった。

「さて、雅紀くん、和也くん、お遊び終わりね?」

「はーい」

ふふっ、ほんと、絵になるよな。
智くんが描けばきっと凄い絵になるんだろうな。 あー、結局智くんを思い出してしまう、寂しいわけじゃないけど、ショックは消えないからな。

「あの・・・」

「ん?」

「無理、しないでくださいね?」

そんなになのか? どうしてそこまで心配してくれるのだろうか。

「ありがとう」

「ふふっ、いえいえ、今日はいい方だとは思いますけど」

「え?」

「顔色がってことです、最近、疲れてましたか?」

「少しはかな」

「そうですか、子供たちも敏感な部分はあるので心配されちゃいますよ?」

なるほど・・・そりゃ気をつけないとな。

「ありがとう」

「ふふっ、雅紀くんも和也くんも愛されてますね?」

「それなら嬉しいな」 

愛されてる・・・俺は? 子供たちには愛されてる。 智くんには愛されてた? でも、1番気になるのはじゅんちゃん先生は一瞬寂しそうな表情をしていた。

いつもニコニコと子どもたちと楽しそうなのに何でだろう。 愛されてる・・・その言葉に何か関係があるのか?

そのあと急にお別れしたし。

めっちゃ気になる・・・。

家に帰ると今日はDVDを見るみたいだ。
子供ってアンパンマン好きだよな・・・通ってる幼稚園もアンパンマンだらけだし・・・。

「あのね、僕、アンパンマンみたいになりたい」

「なんで?」

「カズくん、まもりたい!」

カズを? ふふっ、雅紀はカズが好きだし、カズも雅紀が好きなんだもんね?

「そっか、カズを守りたいなら、強くならないとね?」

力も必要だけど、心の強さの方が必要かな。
だって、どんなに力があっても心が弱いと発揮できないしな。

「うん、がんばる!」

「まーくん!」

カズは嬉しそうだな・・・雅紀はそれはいつまで続くのだろうか・・・俺的にはずっと、守って欲しいなとは思ってるんだ・・・、カズが1人でも生きていけるまでは。

さて、やっぱり仕事また探そうかな・・・、負担にならない程度にだけど。

守る為には必要だし、俺、仕事の方が向いてる気がする。 家事から逃げるわけじゃないけど、趣味になるような仕事をしたいと思ってるから。