掛け持ちはやめてとりあえず1つにして、2日に1度ぐらいのシフトに変えた。
そしたら自分の時間が出来て雅紀やカズの面倒みれる時間も増えて個人的には疲れがなくなった。
そして、久しぶりに迎えに行くことも出来る。
なんか変わった? 少し新しくなった?そんな感じがするのは久しぶりのせいだろうか。
俺の番になれば嬉しそうに雅紀とカズが駆け寄ってきた。最後だったか・・・待たせちゃったかな?
「お待たせ」
帰ろ? そう思ったけど雅紀は少し寂しそうだ。
「雅紀くん、雅紀くんママが迎えに来たよ?」
「うん・・・」
可愛い・・・そして、生き生きとしてるように見える。
「ふふっ、ね? また明日ね?」
満足したのか雅紀はご機嫌みたいだ。
「いつも大変そうですね」
「え?」
「和也くんが”ママ、お仕事だから”ってよく聞きますよ? 」
「そっか・・・」
我慢させちゃったよな・・・。
「今日はお休みですか?」
「そうですね、休みなので沢山遊んであげようかなと思ってます」
「そう言えば櫻井さんのこと”ママ”って呼んでたけど、もしかしてお相手はカッコイイ旦那さんですか?」
珍しいよな・・・
「離婚しました、だからかな、やっぱり寂しさを増やしてしまったのは」
「ごめんなさい・・・」
ほんとにと申し訳なさそうにしてるな。
「大丈夫ですよ」
だから、そんな泣きそうな瞳にならないでよ。
「優しいですね?」
「そんなことないです」
「あ、早く帰りたかったですよね? ごめんなさい、つい、話するとなかなか止まらなくて」
ふふっ、可愛いな、俺的にはそれによってじゅんちゃん先生が、どんな人なのか知れたし
「大丈夫です、雅紀もカズもニコニコしてるみたいなので」
「ふふっ、2人とも可愛いですよね!」
「ありがとう、嬉しいです」
「いえいえ、事実を言ったまでです」
話して良かったなって思う。
「先生、お仕事の方は大丈夫ですか?」
そろそろ呼ばれそうな感じするし。
「あ・・・」
「じゃあ、雅紀、カズ、帰るよ?」
「じゅんちゃんせんせい、バイバイ~」
「じゅんくんせんせい、バイバイ」
「ふふっ、はい、また明日ね?」
幼稚園先生なんだけどさ、少し子供ぽく見えるんだよな・・・。
あんなキラキラ笑顔、そりゃカズも好きになるか。
「楽しかった?」
「うん」
「たのちかった」
「ふふっ、そっか」
幸せだな・・・、俺、久しぶりに感じられてる智くんがいなくたってちゃんと幸せなんだ。
「智くん?」
突然電話がなって智くんからだった、今更なんだろう・・・電話で話すことの内容なのかな。
ここは、外だからとりあえず家に帰ることにし
雅紀たちにおやつを食べさせてる時にかな。
「公園で遊びたかった?」
「おうちでいい」
「ありがとう」
公園を通り過ぎる・・・最近そんなふうに遊べてないから遊びたいよなって思って聞いたけど、カズが優しかった。
家に帰って雅紀はよく走るよな。
「2人とも手洗いとうがいしてからじゃないとおやつあげないよ?」
「おやついる!」
「て、あらう!」
可愛いな~、2人ともそんなに喧嘩しないな。
雅紀はカズに合わせてくれるよな・・・そこがお兄ちゃんぽいよな。
「おやつちょーだい」
「おやつください」
「うん、いいよ」
嬉しそうだな・・・、ほんと嬉しそう。
智くんに電話すれば・・・助けて欲しいらしい
俺と付き合ってたことがバレたらしい。
事実だったのを変えちゃう? 付き合ってないって言って欲しいの? んなの、無理に決まってんじゃん。 何で? それは付き合ってた証拠があるから。 結婚したし、子供がいるから。
俺の子なんだけど智くんの子でもあるのにそれをいない存在にすることなんてできるはずないじゃん。
俺、智くんのこと今でも好きだとは思う、けど戻りたいとは思ってない、裏切られたことはショックだし、離婚を選んだのもショックだし、そして・・・、なにより子供たちに何も言わないで行ってしまったこと。
そりゃ、言いずらいけど、最後ぐらいなにか話せばいいじゃん、その時の2人の表情見たか?
あの時、とっても寂しそうだったんだよ?
子供たちには俺から説明したよ・・・けどさ、最初は納得出来てなかったと思う、何度も泣いてたカズが何度も泣いた。
苦しかったよ、その時、カズにとって智くんは大切なんだなって思えたし、やっぱり俺とよりも智くんといる時の方が楽しそうだったしね。
雅紀は俺のことを心配してくれた。
嬉しかったし、俺は子供たちがいるから今があるなって思える。
だからさ、子供を傷つけた人と再婚なんて有り得ない。
そして、無かったことも出来ないから、向こうの恋人さんのことは自分でどうにかして。
「カズくん、おえかきしよ?」
「うん!」
そう言えばじゅんちゃん先生になってから絵を描くことが多くなったな。
ふふっ、楽しそうだな、そんな2人を見ながら俺はやるべき事に取り組んだ。