時は平成30年。
讃岐はJ2で5シーズン目を迎えていた。
世代交代を視野に入れながら臨んだシーズンだったが、指揮官はもう一つの"難敵"とも闘っていた。
生命を賭けて病と闘いながら魔境J2を闘う指揮官。
まとめ上げるべき時期に集中ができない日々。
若さを得たチームは代償として経験と一体感を失っていた。
チームとして危うい部分を進んでフォローしていたベテランを手放したのは痛恨の極みだったのかもしれない。
激闘に次ぐ激闘で、チームを牽引してきた仲間たちも次々と負傷で戦線を離脱する。
その船は 今どこに
ふらふらと浮かんでいるのか
その船は 今どこで
ボロボロで進んでいるのか
流されまいと逆らいながら
船は挑み 船は傷み…
戦艦讃岐はもはや推進力を失い、傷つき、今にも魔境に飲み込まれそうになっていた。
醜い内紛も露呈して内側からも崩れていく。
そして…
遂に…
戦艦讃岐は魔境の藻屑と消えてしまった…
これ以上、何を失えば赦されるのだろう…
哀しみをこの手に託して
未来へ進んでいく…
地獄のJ3へと転がり堕ちた讃岐は再び魔境へと乗り出すべく立ち上がる。
「地域密着型育成クラブ」
輝かしい光を放つ船体を見せた新たな戦艦だったが、出航を前にその船は沈没してしまう。
繰り返される失態。
収まらない混乱。
もう、どうにもならん………
諦めかけたその時、1人の漢が立ち上がる。
クラブ史上最高のキャプテンと呼ばれたその漢が船を作ると名乗りを上げたのだった。
情熱だけを頼りにコツコツと船を造り上げていく。
令和も五年となった頃、新たに指揮官を迎え入れ、仕上がった船は動き出した。
雨露風雪に抗いながら続ける地獄での航海は簡単なものではなかったが、いつしか一体感という推進力を取り戻してきた。
目的地には辿り着かなかったが、共に乗り越えていく楽しさを感じつつ、最終節を迎えた。
その試合の最終盤………
「あーっと、ここでいわてのカウンター!
讃岐は懸命に戻って対応しますが…
クロスが入る!
合わせた右足!!
突き刺さるゴールぅ!!!
いわて、ラストワンプレーでホーム最終戦を勝利で飾りましたーっ!!」
剣を突き刺されてしまう…
グサリと突き刺さった衝撃。
………と、胸のサヌカイトが………?
剣に進化した………!?
その剣を抜いてみる。
ぬ…抜けた………!?
「革命前夜のような2023シーズンだった」
そう語った指揮官。
この剣は革命を起こすための武器なのか…!?
剣は2つに分かれた。
「リーグ最少失点」
そして、
「リーグ最多の枠内シュート数」
2本の剣を再び合わせると革命が起きるという。
長い間…
踏まれ、
伸ばされ、
冷や水をかけられてきた我々だったが…
一丸となり、一玉を形成する。
我らは金色の光を纏い、2本の剣に導かれ…
虹が現れた………!!
この虹の橋を渡った先に…
魔境への入り口があるというのか。
もはや選択肢はただ一つ!
行こう。
迷わず行こう。
心に聖なる剣を持て!
さぁ、はじめよう。
今こそ革命を起こす時が来た…!
〈つづく〉
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