開始早々の同点弾に息を吹き返した讃岐。
さすがに交代が強烈に効果をもたらす。
CBのコンビが小松拓幹&奥田雄大になることで守備が安定。
プロ入りしてからは初めてであろうボランチを任された奈良坂巧。CBで鍛えた守備を活かしながらこなす。
同じくボランチに移った後藤卓磨は機動力を活かして相手の嫌がりそうな位置取りでボールを受けては展開する。
往年の大沢朋也を彷彿とさせるようなプレーだった。彼はFWよりMFの方が良さが出ると思う。
そして何と言っても金井貢史。
Jリーガーとして格の違いを見せつける圧巻のプレーだった。
まるで時代劇の殺陣でも見ているかのように、プレスで斬りつけてくる相手選手をヒラリヒラリとかわしてはパスを突き刺していく。
この日のNSKは、
N なんか
S サムライっぽいよね
K かないさん
だったか(笑)。
その確かな技術の詰まったプレーに、
「うまいっ………!」
観客席からは小声で唸るような声が次々と漏れ、腕のある小料理屋のカウンター席のような佇まいになっていた(笑)。
同じサイドの森勇人も本来のリズムを取り戻したのか、一気に頼もしさが増した。
ボールを奪われても即時奪回、KASHIMAサイドは次の一手に移行することができなかった。
この変化を相手の永吉監督もひしひしと感じていたという。
「相手もメンバーが替わって、ボールのスピードと判断が速くなる中、そこで自分たちは後手に回ってしまい、失点を喫してしまいました」
その後もKASHIMAは攻撃のカードを切りながら反撃を試みるがなかなか前半のようなカタチに持ち込めない。
讃岐は やみくもにクリアしていた前半と違い、クリアボールも讃岐の選手が回収しやすいところへと落としていたので讃岐がルーズボールを拾い、ボールを握る展開が続いた。
一方でKASHIMAのマンマークディフェンスを振り払うことがなかなかできずにいた。
また強度は若干落ちたとはいえ、必死に前線からのプレスでボールを奪いにくる。
このあたりの徹底ぶりは素晴らしかった。
ならば…と讃岐は最後の交代枠を70分という早いタイミングで使用。
ハイプレス・ハイラインの背後を突くべく、ルーキーの鳥飼椋平を送り込む。
ネコ…じゃない、トリは第5節鹿児島戦以来の実戦復帰。
【讃岐①】
26 小山聖也 → 22 鳥飼椋平
その直後だった。
クリアボールを回収した岩岸宗志からカウンター発動!
岩岸はロビングボールを前線へと供給。
そこには入ったばかりの鳥飼椋平!
思いの外ロビングボールのバウンドが高くなり、うまくトラップできずに後方へ戻す。
しかしこのボールを受けた福井悠人はこの機を見逃さなかった。
ハイラインを突き破るようにスルーパスを発射!
木島良輔のように動き直していたトリが左サイドを切り裂くっ!!
左サイドを深くえぐって柔らかくクロスを上げると岩岸宗志再び…!?
いや、スルー………!?
その奥に森勇人!
心を落ち着かせるようにボールを止めて…
弓を引くようにここまでの想いを乗せて…
解き放てーーーっ!!
自責の念や苛立ち…負の感情をすべて叩き割るかのようなド迫力の弾道がゴール左上に突き刺さる!!
讃岐、逆転に成功ーーーっ!!
KASHIMAもその後、最後の力を振り絞って攻勢に転じるも讃岐はゴールを許さない。
なんとか1点のリードを守り切って実に2019年以来の2回戦進出。
いやぁ…正直ホッとした。
安堵感に包まれるスタンド。いつもならここにドッと疲労感ものしかかってくるが、この日はそうでもない。
やっぱメインスタンドはいい。
屋根がある。適度に心地よい風が吹いてくる。疲労感があまりない。
バックスタンドに比べてピッチまでの距離が近い。
いいなぁ、メインスタンド。
………はっ!
イカン、イカン。目を覚まさないと(笑)。
起床、起床(笑)。
試合後、カマタマーレコールで退く選手たちを見送ったが、その時に森勇人は誰に見せるともなく胸のエンブレムを掴み、ポンポンと叩いてくれていた。やっと晴れやかな表情を見ることができた。
待ちに待ったお目覚め。
おはようございます(笑)。
2019年以来、久々に1回戦を突破した讃岐はこれまた久々となる上カテゴリーとの対戦。
対戦相手はジュビロ磐田。またまた久々、2015年以来の対戦となる。
もう触れることはないと思われたJリーグ30周年MVPのレジェンド・遠藤保仁と闘える可能性が出てきた。
そして…
早速弾丸バスツアーの企画が発表された(笑)。
選手も監督も「収穫は勝ったことだけ」と悔しさをにじませていましたが、果たして本当にそうだったのか。明日は個人的なお気に入りレビューをお送りしますー。
<つづく>
※読みやすさを考慮して、選手名は敬称略としました。ご了承ください。
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