「これって…1バック(笑)?」
スマホの画面を掲げながらサポ仲間の方が話しかけてきてくれた。
んーーーん???
前節負傷交代だった金井貢史、ここ2戦ベンチ外だった江口直生が戻ってきたのは嬉しいニュースだったが、小松拓幹の名前がない。
センターバックは奥田雄大のみ。
奈良坂巧はベンチに入っているが…ほんとに1バックなのだろうか(笑)?
また、このところいいプレーを見せてくれていた竹村俊二もベンチ外。
プレビュー記事でキーマンに挙げた2人が揃ってベンチ外だなんて…(苦笑)。
この謎の布陣の正体は3-4-2-1だった。
しかし…これなら奈良坂巧、あるいは田尾佳祐を3バックの一角に据えて左のWBには臼井貫太、シャドウに吉田源太郎か森勇人で良かったような気もする。
ただ、3-4-2-1は悪くない気もしていた。
赤星魁麻にボールを当てて2シャドウ、もしくは両WBが飛び出せば、八戸のWB-CB間を狙えそうだから。
一方の八戸は前節とまったく同じスタメン。
姫野宥弥は間に合わなかったようだ。
ただ、加藤慎太郎がベンチに戻ってきた。
ピッチ内練習時に選手チャント&選手コールで自軍を鼓舞する。
江口直生のチャント&コールに拍手し手を振る江口…と思ったらコールに応えてたのはニセ江口・金井貢史だった(笑)。
頭をはたいてツッコミ入れて改めてコールに応える笑顔の大将(笑)。
ドッと笑いが起きる。
いい雰囲気。
しかし…
思えばこれがこの日、最大の見せ場になってしまうとは…
試合が始まる。
試合は序盤、開始2分に讃岐がチャンスメイク。
右サイドに流れた赤星魁麻が江幡俊介に倒されてフリーキックを獲得。
江口直生のキックに川﨑一輝が痛烈なヘディングシュート!
ドンピシャで決めたシュートだったがコースが甘く、鹿児島から移籍してきた新守護神・大西勝俉の真正面だった。
これは決めておいてほしかった…
さらに讃岐の狙いが見える攻撃。
相手のロングボールを回収した江口直生が後方の長谷川隼にパス。
前向きにボールをもらったハセはダイレクトに長めのロビングボールを右サイドに展開。
そこには広大なスペースと飛び込んでくる川﨑一輝!
しかし大西勝俉が飛び出して八戸は事なきを得た。
いい試合の入りができていた讃岐だったが、その時間帯はあまり長く続かなかった。
八戸はシンプルながら鍛錬された闘い方で讃岐を押し返す。
前線からの厳しいハイプレス。
守勢に回ればグッと陣形をコンパクトにして密集を作って侵入を許さず、ボールを奪えばシンプルに前に蹴っていく。
攻守の切り替えが速く、讃岐はハイプレスにもコンパクトな守備にも攻守の切り替えにも手を焼いていた。
想像以上に厄介だったのかもしれない。
八戸は左のセンターバックに入った蓑田広大がロングボール。
これをセンターバックに入った臼井貫太が回収しようとしたがトラップミス。これを前澤甲気が逃さず高い位置でボール奪取に成功するとスルーパス、これに宮本拓弥が巨体に似合わぬ俊敏さを見せてシュート!
宮本の体勢に少し無理があったか、シュートは髙橋拓也の正面だった。
ここは落ち着いて讃岐の砦が守ってくれた。
危ないシーンはまだ続く。
讃岐のスローインだったが長谷川隼がトラップミス、そこを狙われボールを失う。右ウイングバックの國分将、インサイドハーフ前澤甲気、妹尾直哉とパスを繋ぎ、妹尾と前澤でワンツーを使って讃岐の守備網を突破!
辛うじて奥田雄大がクリアしたが、こぼれ球を相田勇樹がミドルシュート!
これは大きくバーを越えていった。
さらに八戸は最終ラインの位置から左ウイングバックの稲積大介が前澤甲気にロングパスを繋ぎ、妹尾直哉に展開。妹尾はペナルティエリア内から浮き球のパス…
これに宮本拓弥が飛び込んできた!!
しかし髙橋拓也が逆を突かれながらも何とかセーブ。
ピンチを脱した讃岐は21分に右からのコーナーキックを獲得。江口直生→奥田雄大の「ゴールの方程式」が炸裂したが、奥田の体勢が少しブレたせいかシュートに勢いがなく大西勝俉にキャッチされてしまう。
30分、八戸はこの試合センターバックを務めた山田尚幸のロングスローを跳ね返したところ、こぼれ球を回収した八戸が二次攻撃。
再び山田尚幸にボールが渡ると山田がクロス。
これに妹尾直哉がボレーを合わせたが僅かにバーの上。
讃岐は命拾い…
讃岐も赤星魁麻、プロ初スタメンの岩岸宗志を背後に走らせる攻撃を狙う意図は見えたがそんな展開に持ち込めない。
また、トラップミスだけでなく危険なパスミスを頻発させていた。
もどかしい時間が続く。
江口直生が、吉田源太郎が、次々と危険なパスミスを起こしていた。
どうもその原因は八戸のハイプレスにあったのかもしれない。
讃岐はこのハイプレスを必要以上に嫌がっていたように思う。
プレスをいなすために手堅くいこうとする割りに、慌ててパスを出してしまう。
結果、受け手との呼吸が合わずにパスが乱れてしまう。
何とか川﨑一輝がドリブル突破で局面打開を図ろうと、華麗なルーレットで場内を沸かせたがなかなか八戸陣内へと斬り込むことができなかった。
とりあえず前半はスコアレスで終えたが、「結果的に点が入らなかったというだけ」のスコアレスだった。
今にもドッと降り出しそうな曇天模様と同じように胸のなかがモヤモヤしていた。
ハーフタイム中、雨粒が大きくなってきた。
後半に入ると、胸のなかのモヤモヤも雨粒と同様に大きくなっていく。
その起点になったのがそう、雨だった。
<つづく>
※読みやすさを考慮して、選手名は敬称略としました。ご了承ください。
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