「一刀両断」 第26節 山形戦(後編) | がめがま。

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大分戦から中3日。

讃岐が用意してきたのは4-4の守備ブロックの改良版だった。

「プレビューっぽいヤツ」で書いた通り、カウンターの仕掛けを早めるために もう1名 前に残しては?と思ったが、北野監督は4-4のブロックそのものを前節や前々節より高めに置いて守るカタチを採った。

そうすることでボールを奪った後の展開を速められる。



また特徴的だったのが、そのラインの美しさ。
まさに等間隔をキープし続けていた。

試合後、北野監督は このことに触れている。



「後ろでやるコンパクトフィールド、縦横の狭さを同じ狭さにする事によってシャドウというのは消えるので、そこにはマークの受け渡しがあって。そこがコンパクトになってないと受け渡しは出来ないので、この3日間だけでしたがしっかり伝えました」



何だか素人にはわかったようなわかんないようなコメントなので(笑)、あたしが感じた解釈を入れてみる(間違ってるかもしんないですけど)。



恐らく北野監督が警戒していたのは前の3枚の連携。
特にチーム得点王の小林成豪に仕事をさせないことだったのではないだろうか。

中央を締めて、等間隔に張る碁盤の目のようなブロックを敷くことで、それぞれの選手の縄張り…守備範囲を明確にして徹底的に2シャドウを監視する。
どこにいても2シャドウにはマークがついてくるカタチを採ったんじゃないかと思われる。

こうなると1トップの阪野が孤立する。
ボールを収めても出すところがないので強引に個の力で打開するか、クロスに合わせるくらいしかなくなってくる。

こう守ることで山形の攻撃は単調なものになり、ある程度予測のつくものになる…ということ…かな?




一方の山形の守備。

讃岐は比較的セカンドボールを回収することができていたが、山形の3バックやボランチの中村駿あたりの出足が速く、最後のところでシュートのカタチに持ち込めないでいた。

 

 

膠着状態のまま試合が進む。
チャンスらしいチャンスは讃岐が二度ほど創ったのみ。
17分、荒堀謙次のクロスに反応した原一樹のヘッドは枠を惜しくも外れ、20分には永田がやや強引に打ったミドルも山形の守護神・児玉剛に阻まれた。

幾度となく讃岐のシュートを跳ね返してきた児玉剛。
讃岐に得点を許さない。



讃岐は右サイドが面白かった。
パスセンスのある佐々木渉と槍のような直線的な推進力が武器の荒堀謙次のコンビネーションが非常に良かった。
ここを頼りに攻め込んだが、前半はスコアレスで折り返す。
 
 
 
後半に入るとパワーをかけてきた山形への対応に追われる讃岐。
 
クリアボールを拾った松本怜大から安西海斗、山田拓巳へと繋がり、ボールは汰木康也に渡り、汰木は得意のドリブルで攪乱する。
 
汰木の横パスを受けた安西が大きく右サイドへと展開すると、三鬼海がアレックスをかわして左足で柔らかいクロス。
アレさんは右足でのクロスこそ阻止したが、その後の詰めが甘かった。
 
ここに巧みに飛び込んできたのは阪野豊史!
讃岐は警戒していたであろうカタチでまんまと先制を許してしまう…。
 

 

 

 

かなりテンションの下がる展開だったが、讃岐のサポーターはチャントを止めない!!

何事もなかったようにセビージャを注ぎ続けた。

 



勝利掴め!バモス讃岐!!


 

 

一気呵成に追加点を奪いたい山形は再び汰木のドリブルからスルーパスを小林に通す!

 

しかし!!

 

今度はシミケンが身体を張ったファインセーブ!

讃岐はしぶとく追加点を許さない!

 

ならば、と山形はアルヴァロを投入。

交代で強く追加点を求めるメッセージ。

 

【山形①】

25汰木康也 → 8アルヴァロ・ロドリゲス

 

 

 

なんとかしのいでいる讃岐だったが、このままでは何の意味もない。勝ち点は手に入らない。

とにかくゴールが必要。

 

田中英雄が巧くインターセプトを決めて いい縦パスを木島徹也に通すと徹ちゃんがファウルをもらう。

 

PAやや右寄りの手前、FKのチャンス。

原一樹が狙ったが、これは壁に当たり、跳ね返されてしまう…。


思わず原一樹の表情が曇る…。



 

さらに讃岐に手痛いアクシデント。



徹ちゃんが山田と交錯。

右膝を傷めて交代を余儀なくされる。

これはもしかしたら長期離脱になってしまうかもしれない…。

 

【讃岐①】

13木島徹也 → 17佐々木匠

 

 

 

…と、山形も三鬼が傷んで交代。

【山形②】

4三鬼海 → 24古部健太

 

80分を経過すると、山形はほぼ全員が引いて守って防御する。


讃岐はパク・チャニョンを前線に上げてパワープレーに転じる。

 しかし空中戦は山形の守備陣にとって得意分野。

なっかなかうまくいかない。

 



原ちゃんの疲労の色も濃くなってきていた。

ここで讃岐は森川を投入する。

 

【讃岐②】

20原一樹 → 11森川裕基



 

恐らく残された時間は5分とATの3~5分。

約10分ほどしかない。


ここで敗れることになれば、讃岐の残留圏脱出はさらに厳しい展開になってくる。


頼む…頼んだぞ、モリ…。



 

自陣からのFK。

最終ラインから右サイドのボリさんへ展開し、パスを受けた渉クンが鋭いスルーパス!

 

いいぞ!!

 

ここに森川が抜け出しそうになるが、松本がスピードを活かしてスライディングでモリのシュートを阻む。

 

堅牢な山形の守備に気持ちは折れそうになりながら、讃岐のサポーターは誰に指示されるでもなく、グググッとボルテージを上げていく。



 

カモーーーン カマタマーレ!!

お~おーおおーおー!!

バモス! さーぬぅーきぃーーー!!

 

 

 

試合は90分を過ぎ、山形はまるで「抑えの切り札」と言わんばかりの本田拓也を送り出す。

 

【山形③】

20安西海斗 14本田拓也

 

 

田中英雄のロングフィードを山形の守備ブロックが跳ね返す攻防が続く。


もう残る時間はそれほどなさそう。

山形はボールを回収するが、讃岐もしぶとくプレスを繰り返し、遂に山形のミスを誘発することに成功する。



 

田中のヒデさんがズバッとインターセプト!




 

鋭い縦パスが竹内彬に入る!!

 




しかしアキラ兄さんのトラップは乱れたか、ボールは高く跳ね上がる…






 

 

 

このボールに永田クンが競り勝った!




 

そのこぼれ球を拾ったのは…讃岐の漢!?

 

 

 

その漢は…

 

 

 

上手くDFの背後を取れる。

一瞬のスピードを持ってる。

 

 

 

でも

 

 

 

いちいち悩んで迷ってお人好しで…

いちいち宝を持ち腐れにしている漢…

 



ボールを拾ったのは森川裕基!

 

 


断ち切れ!

 

 

 

迷い続けてた これまでに終わりを告げろっ!!

 



背番号11は利き足とは逆の左足を迷うことなく振り抜いた!



 

まさに…

 

 

 

 

 

 

 

 

…!!!











 

 

愛媛FC時代から何度も何度も讃岐のシュートを跳ね返してきた児玉剛の脇をすり抜け!

 

ゴールにパスをするように!

大切なものを届けるように!

 

ゴールネットを…




揺らしたーーーっ!!

 

 

 



ストライカーとしての決心が届けた!

モリの歓喜の宅急便!!

 

 

 

真面目で

 

健気で

 

ちょっと気弱で自信がなくて

 

なかなか期待に応えられなかった。



 

そんな漢にカマタマーレという物語の主人公となっていた馬場賢治は去り際に背番号11を託した。

 



讃岐の背番号11番は歴代、讃岐の窮地を救ってきた粉骨砕身の象徴。



 

その11番を背負った森川裕基が決めた土壇場でのゴールで讃岐は山形と引き分け、勝ち点1をもぎ取った。

 

 

 

勝った訳じゃない。

むしろ勝たなくてはいけなかった試合。

わかってるけど、この試合で得た勝ち点1は勝ち点3の価値がある。


もちろんこの試合を次に繋げないと意味がない。

ボウリングで言えばスペアを取ったような試合。ここから勝って勢いに乗らないと意味がない。

次を勝ってこそ活きてくる勝ち点1。



 

勝ってないから喜べないって気持ちもわからなくはないよ。


でも、この停滞した重苦しい空気を一刀両断に迷うことなく たたき斬ったモリのゴールを喜ぼうゼ!

 

残留は絶対に果たしたいけど、順位表や勝ち点ばかり見てサッカー観戦してたら大切なものを見失ってしまう。

 


 

背番号11が窮地を救った一撃は勢いに乗せるに充分なゴール!


得点日照りに降り注いだ歓喜のスコールは必ずやでっかい虹を呼び込む!!

 

次こそみんなで勝利の歓喜に至ろう!!

 

 

 

☆三---………

 

今週の経験値。

 

カマタマーレ讃岐  は モンテディオ山形  と引き分けた。

カマタマーレ讃岐は勝ち点は  26となった!

カマタマーレ讃岐の総得点が  1増えた!

森川裕基のゴールが  2となった!

永田亮太のアシストが  3となった!

 

 

 

 

 

※読みやすさを考慮して、選手名は敬称略としました。ご了承ください。




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