讃岐はセンターバック横のスペースを狙う。
中盤で人数をかけて奪い、最終ラインからのロングボール1本で抜け出してゴールを獲ろうというシンプルな攻撃。
9分頃、やはり中盤で人数をかけてボールを奪い、アレックスがロングボールを放り込む。
これを原が頭で落としたところに森川が走り込んでシュート!
これは大きく外れてしまったが、カタチは悪くなかった。むしろ面白い!
一方の愛媛も狙い通り右WBの小暮に高い位置を取らせて、そこへロングボールを何本か通している。
シュートまではいかせてないが、パスが繋がっているのは嫌だなぁ…。
そんなことを思っていると、またも讃岐は最終ラインからアレックスがロングボールを放り込む。
これが愛媛のペナルティエリア内に侵入した佐々木匠へと飛んでいく。
現地では遠巻きだったので匠クンが決めたことくらいしかわからなかった。
これが愛媛のペナルティエリア内に侵入した佐々木匠へと飛んでいく。
現地では遠巻きだったので匠クンが決めたことくらいしかわからなかった。
しかしあの場ではそれだけで充分だった!
なんせ讃岐サポ待望の一発!
とにかくみんなで大喜びすることが先決だった。
匠チャントを響かせることが大事だった。
しかし…
帰宅して改めて見直してみると なかなか凄いゴールだった。
この位置からアレさんのロングボール。
DFをかわしながら匠クンの鮮やかなトラップ!
愛媛のDFはバランスを崩したが、匠クンはバランスよくピタリとトラップ。
それはまるで…
けん玉の達人が柔らかく玉を皿に乗せるような…
まるで音がしない猫の着地のような!
美しさすら感じるような!!
素晴らしいトラップ!!!
驚いたのは、
「あれだけ近い位置に人がいたら相手に当たることも想定していた」
という、敢えてのシュート。
そして予定通り?跳ね返ってきたボールを事もなげにゴールへと流し込んでみせた。
「次のプレーの動きに移っていた。そこで落ち着いて決められたことは良かった」
そして…
「アレさん(アレックス)が動き出しを見ていてくれて、そこに良いボールをくれたので、僕にとっては難しいトラップではなかった。良いボールが来て、簡単に打って簡単に流し込んだゴール」
とコメントしている。
か、簡単って…
なんなんだ、この冷静沈着なゴールは!
なんなんだ、この高い技術の一撃は!!
プレースタイルも
風貌も
年齢も
なにもかも違うのに、何故か一瞬だけ、あの男の姿を思い出させた。
本人はいたってクールだが、周りはそうはイカーン!
待望のJ初ゴール!
今季初ゴール!
移籍後初ゴール!
揉みくちゃにされる!!
さぁゴールラッシュだ、続けぇ!
いいカタチで試合に入った匠クンから絶妙なスルーパス!
そのこぼれ球に走りこんできたモリ!
決めろーーーっ!!
しかしこれは枠を捉えきれず。
いいカタチで攻めているのだが、今の讃岐は もう1点の追加が遠い…。
愛媛も黙ってはいない。
右ウイングバックの小暮を軸に攻撃を展開していく。
18分、河原が倒されフリーキックを獲得。
神谷のキックを林堂が頭で落とすと安藤のダイレクトボレー!
波動拳のような一撃を弾き出す黄色い昇龍拳!!
今節も神ケン、キタァーーー!!
さらには前野の強烈なシュートを荒堀がブロック!
しかし!これがゴールに向かって飛んでいく!
これは とっさのスライディング守護神!!
今日のシミケンに失点のイメージなし!!
この安定と1点のリードがあったからか、讃岐は守備ブロックを構築し、カウンターで仕留める構えに入る。
愛媛はボールを保持して讃岐の壁を突破しようとしていたが、今一つアイデアに乏しくクロスを上げては跳ね返されていた。
プレビューっぽいヤツでも書いたが、やはり神谷はパスの出し手ではないと思う。
でも、DAZNを観ていて気がついた。
たぶん神谷は愛媛がJ3降格へ危機的な状況に陥るまでボランチで起用され続けるだろう。
今季、愛媛は小島秀仁、藤田息吹という愛媛を創ってきたボランチを一気に失った。
一方の神谷は東京五輪をはじめとする日本代表を見据えてボランチとして経験を積みたい。
完全に利害が一致している。
神谷側が金銭以外にボランチとしての出場を条件として提示し、了承されているのではないだろうか?
そんな契約があることは、とある予算規模の小さいクラブを見てると なんとなくわかる(笑)。
彼をはじめとした愛媛攻撃陣のアイデア不足はあるものの、讃岐は讃岐で少しラインが低くなっていたせいで、セカンドボールを取り損なっていた。
しかし守備は整備されており、何も起こる気配はなかった。
惜しむらくは もう1点入れておきたかった。
とてもいい内容で試合を運んでいたから。
フリーで放ったモリの2発。
ブロックに引っかかったオカムーのミドル。
このへんが決まってたらなぁ…。
仕留めきれなかったが、試合は間違いなく讃岐のモノだった。
しかし…悪い気はしないが、2-0にならなかったことが引っかかっていた。
なんせ「予想は4-0だ」なんて書いちゃったからねぇ(苦笑)。
<つづく>
※読みやすさを考慮して、選手名は敬称略としました。ご了承ください。