今夜は、美しいえのもとくみこさんへ、おどろおどろしい着付けをする係。
自分は年甲斐のないゴスロリ風振り袖ドレスをチョイスしてみました。
楽屋で撮る写真てこういうのが定番なんでしょ?女子のなかよしができたら絶対こういうの撮りたいってずっと思ってた。
いつにない細部に凝った衣装で挑んだのは、今年のきよ里活動中、上半期いちばんといって間違いない大イベント「封印特殊歌謡音楽祭」でした。
専業兼業入り交じるけど、全員がプロとしてステージに立っているメンバーで構成されたステージは心地よかった。
ナタリー石田Presentsと銘打ち、全曲ナタリーさんによる選曲と、プレイヤーのキャスティングもナタリーさんまかせ。
私は、「放送禁止歌だけやるコンサートの企画がある」と聞いた時点で、「竹田の子守唄を入れるなら私にやらしてくれませんか」とお願いしておりました。ファーストアルバム「人の喜び」に、同じモチーフで2曲入れたくらい気に入っている曲なので、ぜひ私にやらせてほしいと思っていましたよ。
そのお願いが採用されて、トリ前という大事なポジションを割り当ててくださったこと、ほんとうにうれしかった。
また、まさかそんなことがあるとは思ってもいなかった、別の課題曲の割当もなされた。
中山ラビの「たいへんだぁ!」という曲で、コミカルさとブルージーさの絶妙なバランスが格好良い作品でした。
初めて聴いたときは、これは私には無理ではないかと尻込み。祭り囃子の軽妙で洒脱な感じが私には出せないんじゃないかって、三線ならまだしも、ヴォーカルは辞退しようとすら思った。
しかし、1回目のリハーサルから不思議なフィット感があって、ギャリギャリ鳴らすエレキギターも相棒エーサクさんのエッヂーなスタイルにぴったり、なんともいえず自分の曲かのような一体感を味わってしまったのでした。
それでも本番の1週間前まで、どうにも消化しきれず、何度も自分の歌う録音を聴いた。中山ラビさんの原曲もしつこくしつこくリピートして聴いた。最後のリハーサルでやっと心の余計なタガが吹っ切れて、なんとか形にできて本番に臨むことができました。
<第一部・プロテストソングの世界>
放送禁止歌/山平和彦 Vo.舘恭介
イムジン河/ザ・フォーク・クルセダーズ Vo.舘恭介&ナタリー石田
心中日本/長谷川きよし Vo.ナタリー石田
<第二部・アンモラル歌謡の世界>
死ね死ねメドレー
(死ね死ね団のテーマ/キャッツアイズとヤング・フレッシュ 死ね死ねブルース/愛川欽也) Vo.ナタリー石田
暗い日曜日/ダミア(浅川マキ) Vo.猪俣萌子
きょうだい心中/山崎ハコ Vo.えのもとくみこ
<第三部・洋楽にもあった放送禁止歌>
パフ/ピーター・ポール・アンド・マリー Vo.猪俣萌子&中澤里香
雨を見たかい/クリーデンス・クリアウォーター・リバイバル Vo.舘恭介
<第四部・わいせつ歌謡の世界>
スキンシップブルース/高田渡 Vo.荒井和真
しおふき小唄/窪園千枝子 Vo.えのもとくみこ
夢は夜ひらく/三上寛 Vo.栗田芳宏
<第五部・差別歌謡の世界>
生活の柄/高田渡 Vo.舘恭介&ナタリー石田
びっこの仔犬/加山雄三 Vo.ナタリー石田
たいへんだあ!/中山ラビ Vo.きよ里
お掃除オバちゃん/憂歌団 Vo.荒井和真
力石徹のテーマ/ヒデ夕樹 Vo.舘恭介
山谷ブルース/岡林信康 Vo.栗田芳宏
手紙/岡林信康 朗読 中澤里香
竹田の子守唄/赤い鳥 Vo.きよ里
ヨイトマケの唄/美輪明宏 Vo.ナタリー石田
<アンコール>
府中捕物控/アルフィー Vo.ナタリー石田&舘恭介
これだけの重厚なセットリストをこなすと、今まで見えてなかったことが見えてくるような感覚。プレイヤーも色とりどり、自分と他の方との持ち味の差などがくっきり見えた。
たとえば、きょうだい心中や暗い日曜日のような曲をするには、私では明るすぎてダメw 陰鬱とした表現力がまだ私には足りないのでした。
相方のエーサクさんも、私と二人のデュオでは私がプロデューサーとなっていい味を出そうと取り組んできたが、他の方にプレイヤーとして使われて、より一層持ち味が明確に見えた気がする。私にはない暗さ、怖さ(※エーサクさんは普段は気さくなお兄さんですよ)が、まわりを引き立てるビターなスパイスとなりえるんじゃないかとか。その対比を私はうまく出せているか?とか。
これから先、曲の選び方や表現の仕方が変わってくる予感がしてる。
自分個人の課題はさておき、このパーティーは、サーカスのよう。
ナタリー団長(ビジュアルもサーカス団長にぴったり)のもと、どれもこれもアクの強い芸人やら猛獣やら綺麗どころやら道化やら、集って旅をする一座にたとえられよう。
これは興行として、全国キャラバンできる内容ではないだろうか。
「第二回を!」という声が少なからずあったようだが、私は、これは他県でも開催できると思う、なかなかこのメンバーを集めるだけでも大変だとは思うが、東京開催とか、関西開催ができたらいいなあ。
朝まで続いた打ち上げでもそんなお話を楽しくさせていただきました。
お客さんのなかにあんまり可憐な女性がいて、「わ、女優さんみたいら」と言ったら、女優さんでした。
打ち上げで遊んでくれた新潟シェイクスピアカンパニーのみなさんもありがとね。
<ステージ以外でうれしかったことメモ>
・栗田御大とはよいお友だちになれそうな実感があった
・荒井のおじちゃんとビリヤードの約束した、今度ギター伴奏してくれるって言った(言質)
・本間パイセンクッソイケメン
・久しぶりにちかびっちと飲んだ
・もえもえがちやほやしてくれた挙句帰り送ってくれた
・りかりかとエーサクさんが親子っぽかった
・大脇さんと半期に2回もステージできた
・来年もきよトラソルで恋のからくりができるかもしれないっぽい
・くみこさんのおパンツとか見た
・ねじり鉢巻が最も似合うのは実は大久保さんだった
・去年の2月に麗蘭を観た会場らよ。蘭丸さまが立ってたステージ。
そして何よりナタリー団長、バンマス大久保さん。
私たちの輝くステージのために奔走してくださってありがとう。
またこんな命燃やす機会に、みなさんとやれますよう。
それに値するプレイヤーであるよう努力しつづけます。