歩 | ざんくのリアル小説

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先日とある食堂で、

オーダーしたランチが届く間、

将棋の駒をひとつテーブルに置いていった。

 

「歩」。

 

公益社団法人日本将棋連盟(以下「将棋連盟」)は、

今年9月8日に創立100年を迎え、

藤井翔太棋士のおかげもあってか

久々の将棋ブームで

千駄ヶ谷の将棋会館も新築になったとか。

小洒落たカフェなどもあるらしい。

 

幼少の頃にしかやったことのない「将棋」。

 

将棋のイメージといえば

昭和の歌謡界に名を残す、

村田英雄先生の「王将」であった。

 

この名曲「王将」のモデルとなり、

映画や戯曲化された

伝説の棋士「坂田三吉」。

明治時代から昭和初期に活躍した人だ。

 

この時代の将棋は男の世界。

人生を賭ける、命を賭けるという

とても泥臭い世界であったように思う。

 

家庭も振り返らないので、

女房、子供泣かしてなんぼみたいな・・・。

 

負けたら場末の賭け将棋の泥沼に落ちていく。

 

まあ、そういう描かれ方を

していたような記憶があるね。

 

まあ、勝負しながら

何十手も先をシュミレーションするわけなので、

名人戦のような大一番に勝ち続けるというのは、

並の頭脳では無理。

 

なので、特に凡人のオイラには

最も苦手な遊技のひとつだよ。

「歩」のまますぐに相手に取られちゃう

存在感の無いコマみたいな😆

 

それでもね、人生の節目節目で

「歩」から「と金」になろうともがいたことも

何度もあるんだけど、

やっぱり「金」になった途端に相手に取られちゃう💦

 

「王将/村田英雄」

♪ 吹けば飛ぶような 将棋の駒に

賭けた命を 笑ば笑え〜♪

 

「歩」から「金」になり、

ここぞという勝負で夢破れるたびに

このフレーズが頭に浮かぶんだけれど、

命まで賭けたことはないよなぁ〜と

苦笑いしたりもする。

 

いつも逃げ場を作って生きてきたオイラと

これしかねぇんだ!

と同じことを突き詰めてきたやつとでは

生き方における土壇場の底力が違う。

 

なんでこんなことを急に書いているかというと、

最近はコマをひっくり返し、

「と金」になる元気もなくなってきたなぁと

つくづく感じてきたから。

 

♪肩で風きる 王将よりも

俺は持ちたい 歩のこころ

勝った負けたと 騒いじゃいるが

歩のない将棋は 負け将棋

世間あるかにゃ なりたたぬ♪

 

北島三郎先生の「歩」の方が

庶民にはピッタリだね。

 

しかし「王将」も「歩」も

短い七五調の詞の中で、

見事に人生の縮図を表現しているなぁ。

 

10月に入って最初のブログかこんな内容じゃ、

相当夏バテが残っているのかも・・・・。