『どう?キショいやろ?』
そう言われて送られてきたのは、
彼の左腕の写真でした。
今日は、透析のことを少し。
透析をしている人は、
腕に「シャント」と呼ばれるものを作ります。
私は透析のこともまったく知らなかったし、
シャントのこともまったく知りませんでした。
どこかで聞いたことがある。
そのくらいの認識。
彼もそのシャントを左腕に持っています。
シャントというのは、
透析ができるように、
血管を引っ張ってきて太くして、
機械とつなぐもの。
それが左腕に見えるので、
かなり太い血管が浮き出ています。
ボコボコしていると言ったらいいかな。
血管と機械をつなぐことで、
透析ができるようになる、
大事な部分です。
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私は最初に、
彼の左腕を写真で見せてもらいました。
たぶん彼も見せるのに
抵抗はあったと思います。
『こんなもん、ほんとーやったら見せたくない』
って言ってましたから。。。
まずは右手の写真が送られてきました。
普通の右手。(笑)
その次に左腕の写真。
正直、少し驚きました。
見たことがないですからね。
血管がかなり太く浮き出ているわけですから。
『どう?キショいやろ?』
『正直に言っていいよ。』
ウソを言っても仕方ないので、
私は正直に伝えました。
「確かにビックリした。」
「見たことないから」
彼は言います。
『キショいなんて慣れてるから、なんでも言っていいよ。』
今まで心ない言葉を向けられることも、
たくさんあったようです。
「気持ち悪い」
「なんか怖い」
そんな思いをされている人は、
少なくないと思います。
透析をされている人にとっては、
生きていくために必要なもの。
このシャントがあるから、
今の生活があるのに。
彼は、
『もう慣れたよ』
と、さらっと言いました。
透析30年。
その時間の中で、
いろんなことを受け止めてきたのだと思います。
私は、
最初に驚いたことも、
そのまま正直に伝えました。
そこで、気になって聞きました。
『痛いの?』
すると、
『痛くはない』
とのことで安心しましたし、
血が出たり、
切れていたりしたら怖いなと思ったのですが、
それはなさそうです。
強く押されたら痛いかもしれませんが、
触ったくらいではなんともないとのこと。
「でも、きっと見ていくうちに慣れると思う」
そう言うと、
『慣れてくれたら嬉しい』
と、彼は言いました。
その言葉が、
とてもやさしくて、
少し切なくて、
心に残っています。
でもほんと、こーゆーのって慣れですね。
知らないだけ。
知ってしまったらなんともない。
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透析をしている人は、約33万人。
その中で、
見た目の違いや、
人と違うという感覚に、
何かを感じている人も、
大勢いると思います。
でも、
それは人としての価値とは、
まったく関係のないこと。
むしろ、
そんな経験をしているからこそ、
彼のように人に優しくできるのだと思うんです。
透析30年。
シャントも30年。
だけど、左腕もしっかり使うドラムを毎日叩いてる。
やりたいという気持ちがあれば、
何でもできるんだと思います。
そんな勇気を、
毎日見せてもらっています。
by.Red Beat
