同窓会の夜① | 染井的趣味ライフ

染井的趣味ライフ

ドール沼の住人による、ドール沼のブログです。主にカスタムのメモにしていく予定なので、素体写真をあげていきます。ドールや生首や真っ裸が苦手な方はご遠慮ください。ドール以外に介護日誌と小説を始めました。

妻から息子が学校でイジメを行ったらしいと聞き、休日に話し合うことにした。

息子は唇を尖らせて、膨れっ面をしている。

「人をイジメたお前が悪いのに、なんで不貞腐れているんだ?!」

そう言うと、息子は膨れっ面のまま言い返してきた。

「だって、アイツが生意気なんだもん」

「生意気だろうがなんだろうが、人をイジメて良い理由にはならないんだぞ! 理由があろうと無かろうと、集団で一人を攻撃するなんて最低だ!」

「だって、みんながイジメてやろうって言うから…」

「人のせいにするな! 自分でやって良いことと悪いことの区別ぐらい、判るだろ?! もう10歳なんだから!」

「…だって…」

「いい加減にしなさい! 言い訳ばかりして!」

俺は目眩がした。

まさか自分の息子がここまでバカだとは思わなかった。

溜め息を吐いたとき、息子が涙目で睨み付けながら言った。

「偉そうなこと言ってるけど、お父さんは子供の頃に誰かを虐めたことないの?」

バカなことを言うな!と怒鳴りかけて、ふと思い出す。

やはり涙目でこちらを睨み付けていた、小柄な少女のことを。

「…父さんは、そんな卑怯な真似はしない!」

とりあえずそう言ったものの、堰を切ったように思い出が溢れ出した。


彼女はとても小柄な少女で、同世代の女子より頭一つ分近く背が低く、体つきも華奢だった。

友達とワイワイ過ごすよりも、一人で本を読むか絵を描くかして過ごす、物静かで大人しい子だった。

彼女は生まれつき足が悪かったのか、片足を引き摺るように歩いていたため、からかうには格好の対象だった。

彼女が歩くとクラス中の男子が取り囲んで囃し立てた。

俺もその中にいて、他の男子と一緒に囃し立てていた。


先程、息子に言った「理由があろうと無かろうと、集団で一人を攻撃するなんて最低だ」という言葉が、自分の胸に音を立てて突き刺さった気がした。

                                                                    続く