自分が小学生の頃にイジメを行っていたことを思い出してから、俺は罪悪感に苛まれていた。
今すぐイジメてしまった彼女の元に行って、土下座して許しを乞いたい気分だった。
しかし、彼女は小学校を卒業する直前に転校し、それっきり会う機会もなく成人し、何度か行われた同窓会に出席することもなかった。
だからだろうか、彼女のことをすっかり忘れていたのは。
そんな折、一枚の往復ハガキが届いた。
それは小学校の同窓会の出欠確認だった。
何の因果か偶然か、小学生時代の悪行を思い出した途端だったので、俺は軽く驚いた。
驚きつつハガキの通信欄に目を通すと「今回は卒業を前に転校したサトミさんと連絡が取れましたので、ご招待することになりました。卒業直前とはいえ、転校してしまったので厳密に言えば同窓生ではありませんが、折角の機会ですので旧交を暖めたい方、ご参加お待ちしています。」と書かれていたので、二度驚いた。
俺がイジメていた彼女の名前だ。
しばらく悩んだものの、俺は『出席』を丸で囲んでポストに入れた。
続く